学生の頃から大好きな劇団「東京乾電池」の芝居を久しぶりに下北沢「スズナリ」で観てきた。柄本明もベンガルも映画やテレビドラマ、それと独自の路線の芝居をいろいろこなしている現状、東京乾電池として競演するのを観るのはこれまた久しぶり。その上、今回は唐十郎の作品に挑戦という、ちょっと想像できない舞台で、期待わくわくで冷たい雨の中、下北沢の駅からの足取りはうきうきステップだった。作:唐十郎、演出:角替和枝『秘密の花園』を、懐かしくさえ感じる、板張りに薄い座布団だけの席にちょっと出っ張ってきたおなかが窮屈な態勢で座る。そういえば、乾電池の舞台はこれまで岩松了の脚本のものしか観たことがないのだな・・・などと思っているうちに幕が開く。
シリアスと幻想と得意のおとぼけの空間もしっかり混在していて「やるもんだな~」というのがおおざっぱな感想。でも、芝居そのものより、あの小さなスズナリであれだけ大量の水を使って大丈夫なのかな?と途中何度もはらはらしたが、ずぶ濡れになったみんなは、幕後の挨拶ではしっかり着替えを済ませていたのにはちょっと驚き。
柄本もベンガルも狭い通路で客と一緒に歓談しながら帰り支度をしている、
あの雰囲気も小劇場ならではのおもしろさ。
ダブルキャストで当日はお休みの日だった綾田俊樹がいなかったのはちょっと残念だったかな。