日々の生活の中で遙か遠くからから流れてくる水をはじめ、
多くの大切なものをいただいている我が白山に、感謝の気持ちで毎年登ることにして3年目。
今年は残念ながら百花繚乱の高山植物の姿は少ないけど、夏の混雑を避けて紅葉の峰を目指す。
10月7日、午前8時半。今回はきわめて素人の同年代の方々との登山というので、すこぶるのんびり歩くを心がけることにする。登山口に向かうバス停の市ノ瀬の駐車場には、車の誘導をするおじさんの姿もあるくらいぎっしりの車だった。
別当出合登山口からオーソドックスコース「砂防新道」を歩き始めたのは9時過ぎ、天気はどうにか持ちそうな感じ。
同行の京大ワンゲル部出身の弁護士先生は高山植物博士でもあり、彼の解説を道すがら聞きつつほぼ予定通りに「中飯場」
本格的登山は初めてという今回の同行の方を、ちょっと心配していたが、結構順調な足取りで、池を覗く余裕もあり、サンショウウオがいるのに嬉々と反応しホッとする。
甚の助避難小屋に到着。
去年はまだ立ち入り禁止状態で建物が残っていた古い小屋は跡形もなく撤去されていて、新しい小屋の水場のステンレスシンクが光っていた。ここで昼食を取るが途中で風が強くなり、秋の山の寒さを感じ、加えて雨もパラパラとやってきた。
前回の黒部五郎~鷲羽~雲ノ平コースでちょっと無理をして足首を痛めたという恭子嬢はリハビリのためとここまでの参加で下山する。
南竜からの登山道との合流から、延命水
このあたりで初本格登山の類先生は相当苦しそうになってきて、紅葉どころでなくなってくる。
十二曲がりの坂を一歩一歩進み、すれ違う人のほとんどから「頑張って!」と声を掛けれれて、
どうにか「黒ボコ岩」に到着。
雨と霧がひどくなってきて、晴れていたらすっきり御前峰の姿が目の前に出現する木道もこんな感じ。
どうにか、室堂のビジターセンターに到着し、夕食前のひととき、雲が切れてきて青空が見えてくる。
一面の雲海で周りの山は全く拝めないが、沈んでいく夕陽はうっとりさせるような風景。
ビジターセンターも赤く染まる。
翌朝、日の出前から頂上を目指し、ご来光を望む。
穂高連山から乗鞍、御岳と360度の山々のシルエットを眺めることができた。
奥宮に参拝し、すがすがしい朝の空気の中、上からの室堂平~別山の眺めがまた美しい!
下りは抜けるような青空の下、「観光新道」を通り、紅葉をしっかり楽しむ。
改装中の「殿が池避難小屋」来年には甚の助小屋と同じようにぴかぴかになっていることだろう。
水の源への感謝の気持ちは、今年も無事登らせていただいたという感謝の気持ちに変わり、
市ノ瀬の「永井旅館」で一風呂浴びて帰路につく。