今回の山、山岳会に参加し始めた30代の頃から気になっていた山で、名前を聞くと「ちょっと、何だかくさい山だな・・・」と思っていた『金糞岳』
ものの本によると頂上から白山も、御岳までもきれいに見える!とあったので、くさいながらにやってくれる山ではないかと出かけてみる。
長浜の町から琵琶湖を背に山に向かうと「浅井三姉妹の里、小谷城」などという、大河ドラマ時代の遺産みたいにのぼりや看板があちこちに出てきて、近江高山キャンプ場にたどり着く。
そこから山道、といってもきれいに舗装された林道だが、20分ほど走り「連状口」という登山口の駐車場に着く。紅葉を求めてくる人にとっては、ここで充分その色彩の美しさは堪能できるように感じる。
登山口は道路の脇のあっさりした階段。
小高い山を一つ越えて出てきたのがこの看板。
「お~っ、小朝も一門をまとめることになったか・・・」などとつぶやいて、
正面に目的地金糞岳の姿が見えてくる。
今度は小朝じゃなく大朝。なぜか馬風の顔が浮かんできた・・・・
それはそれとして、
だんだん紅葉の色彩の中に自分の体が溶けていくような錯覚になるほど、そこら中に色とりどりの風景が現れる。
紅葉の山肌の脇に、かすかに、それでいてひときわ目立って雪をかぶった山がちらちらと見える。
車で林道を相当登ったちょっと手抜きの登山口から、およそ1時間半で頂上に到着。
賑やかに登頂記念のプレートをぶら下げていく人が多いようだ。
麓の旅館が寄付したという石碑の向こうに白く雪をかぶった山がはっきりと見える。
白山だ!
右に別山の姿もしっかり見えて、琵琶湖近くから見たらこんな感じなのかと改めてその美しさにみとれる。
金糞岳頂上から笹藪の道をもう少し、隣の山『白倉岳』方面に歩くと、尾根の反対側に琵琶湖のほぼ北半分側が見え、竹生島が浮かんでいるのも見える。
麓の村の「白龍の水」という遙か夜叉が池に源を発するという湧き水を飲み、
お市の方もしばしば湯治に訪れたという須賀谷温泉に浸かって帰路につく。