穏やかな海岸線を「内浦」と呼び、反対側、馬の頭の形の鼻先からたてがみに掛かる方向を、荒々しい波の渦巻く「外浦」と呼ぶが、その穏やかで波が立っているかわからないような水面を眺める穴水町では、おいしいものを年中食べれるというイベント「まいもんまつり」が町内の食事処で開催される。冬の陣・能登牡蠣と入れ替わり「春の陣・いさざまつり」の時期。
「いさざ」は春の訪れを告げる別名「シロウオ」と呼ばれるハゼ科一年魚。
「いさざ」は春の訪れを告げる別名「シロウオ」と呼ばれるハゼ科一年魚。
体長は約4cmくらい、体色は半透明、黒い斑点が透けて、その斑点と二つの黒い目が、上から眺めるとまるで「ニコちゃんマーク」のようにかわいいのだが、産卵のために川を遡るこのちいいさな魚を、躍り食いするのだ。 たしか以前福岡あたりで、もう少し小さな白魚の踊り食いを経験したことはあるが、そのときは杯(さかづき)に数匹、ぐいっと飲み込んだ記憶がある。
ところがこちらはちょっと小振りのどんぶりに20~30匹所狭しと泳いでいる。箸でつまもうにも生きが良くてなかなか言うことを聞いてくれず、時々器の外にはねて行ってしまう・・・・そいつをどうにか三杯酢の中に移し、動きが少し鈍くなったところを口の中へ「いざ、いさざ!」
ところが4cmの魚を飲み込むにはちょっと無理があり、「ごめんなさい!」とつぶやきながら歯を立てる。残酷だな~と思ったその次の瞬間、その歯ごたえがものすごく心地よくて、次の一匹に箸を延ばす。
・いさざの卵とじ
・いさざの天ぷら(大盛り!)
・いさざのお吸い物
・いさざの天ぷら(大盛り!)
・いさざのお吸い物
全部で百匹は胃の中に吸収されたようだ。
このいそざ3月下旬がピークで、桜の花の開花とともにシーズンは終りとなる。
このいそざ3月下旬がピークで、桜の花の開花とともにシーズンは終りとなる。