八田與一の功績を巡る炎天下の自転車こぎから解放されて、汗だくになったところで、ここはひとつ汗流してさっぱりとするために温泉に行くしかない!と自転車屋のおばちゃんにタクシーを呼んでもらい、走ること15分くらいでたどり着いた駅が「隆田」駅。ホームのベンチでは、これぞ田舎の若い者の正しい姿!という感じの若者たちが、ちょっとめかし込んでほぼ全員サンダルがけで、わいわいたむろしていたが、それさえ10人足らずで、時折、生暖かい風が何度か吹き抜けていくと、同じようなスピードの各駅停車の電車がホームに入ってくる。
ほどよく冷房の効いた電車を3つめの駅「新営」で下りる。
駅前に出ると、なぜか自転車軍団が100人ほど同じユニフォームで集まっていた。
寄ってくる客引きのタクシー運転手に「バス停はどこ?」と聞くと、駅前ロータリーの反対側に、色んな土地へ向けてのバスが発着しているようだが、「青山」とか「三層崎」なんていう地名の看板を見ると、何だか日本の田舎のバス停にのんびり待っているような気分。
豪華な2階建てバスに乗客10人ほど。
一路、関子嶺温泉に向かう。
だんだん、山の方に向かってバスはくねくね登っていき、温泉宿の建物もちらほら出てくる。どこかで見たような風景だなと思ったら、正月の箱根駅伝で出てくるような風景で、温泉街の真ん中にある公園の横のバス停に下ろされる。
今回は台湾のガイドブックで調べて予約した宿で、「マニア向け宿!」と書いてあり、どんなマニアや?と興味津々でその名も「関子嶺大旅社」
なるほどマニア受けしそうだ。「泥奬温泉 百年老店~住宿・休息・泡湯・用餐」と表示がある。
この関子嶺温泉は日本統治時代に、役人が箱根みたいな風景に感動したのか、四大温泉の一つとして開発したところで、ねずみ色の泥の混ざったお湯が特徴。
山のいくつかの場所に源泉があり
旅館に入ると、あちこちの部屋からお湯の音と家族で団らんお風呂的な会話が聞こえてくる。
部屋のお風呂の温泉蛇口から温泉を出して、お湯を張ってみるとこんな感じに。
これで浴槽の8割くらい入っている状態。
結構熱いお湯の湯船につかると、おしりに泥というか砂というかの感触がしっかり感じられ、その溜まった泥をすくって体のあちこちに付けていく。窓から気持ちよい風と共に、近所の旅館の風呂に入る子供たちや家族の声が聞こえてくる。
のんびり感一杯である!
お土産にと紙パック入り一つ20台湾ドル(約60円)を買って帰る。
自宅の風呂で試したが、なかなか良い感じ。