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2012年9月21日金曜日

みんなで頑張った!二百名山No.43『芦別岳1,727m』

 去年の夏に白山に一緒に登った5人のうち、最年長の帯広の親分岡本さんに、
白山下山直後「北海道だと芦別岳に登ってみたいんです」とつぶやいたのが、今回の登山の始まり。
大学の大先輩である岡本さんは、仕事で日本中を駆け巡り、海外へ登山に出かけるパワフルな方で、まずはその岡本さんのスケジュールを調整してもらい、
「それじゃ娘さんも一緒に連れて行きましょう!」とメールをもらう。
実は岡本さんはうちの娘が勤務するグループ会社の会長さん。

それから、岡本さん以外の4人に声を掛けてみると、
みんな日々多忙極める社長さん達や職場では重要な役職に就いているにもかかわらず、
全員から「しっかりその日はスケジュール空けておきます!」との気持ちのいい返事。

帯広に集結したのは、
・奈良県生駒から、日々鍛えてキン肉マン。山を始めて6年だと言いながら、ザイル捌きも名人級の文具雑貨等輸入商社社長『曉さん』
・滋賀県高島から、今年は表銀座も裏銀座も走破だ!と雄叫びを上げる石川県小松市出身看護師師長山ガール?『恭子姉さん』
・岐阜県美濃加茂から、山よりゴルフ場に行く回数が圧倒的に多く、本格的に山登りを始めたのは去年から、それでも富士山は2回登っている化学メーカー社長『ショーゴくん』
・愛知県名古屋から、これまた登山といえるのは去年の白山が初めてで、最近はマリンスポーツにも顔を突っ込んでいる文具メーカー社長『友秀くん』
そして石川県金沢から鉄工所のオヤジの私。
ちなみに20才台の娘を含まないとチーム平均年齢50才。

<去年の白山登山の時のメンバー>

 今回は、岡本さんの計らいで、なぜかハンディキャップマークの付いたワゴン車を用意していただき、その上その運転手兼今回の山行リーダーになっていただいた元警察官の社員の熊谷氏、通称『クマさん』も同行していただいた。
おっと、忘れていた、うちの娘も「本格的な山登りは5年ぶりだ」と言いながら参加した。

帯広駅前のホテルをまだ薄暗い早朝5時に出発し、登山口には7時ちょっと前に到着。
登山口の網の門もしっかりしていて、何しろそこら中にこれでもか!というくらいに「クマ注意!!」の看板がある。
そんな中、熊と格闘する覚悟?のクマさんが先頭で歩き始める。
左がクマさん、右は岡本会長。

標高差約1400mを登るので、初心者や運動不足の人間にはちょっときつい山かも。
尾根までの時折出てくる急坂にしばし私もあえいでしまう。

しばらくすると「見晴台」の看板がぶら下がった場所にに到着。下に富良野の町が見えてくる。

何しろ、息が上がってきつい以上に、熊が怖いので、クマさんの後に付いていくのに必死。
みんなだんだん言葉少なげになり、いつ休憩の合図があるのかじっと待ちながら歩き、熊鈴の鳴る音だけが聞こえる。

登山道の所々に熊の糞が転がっていて、うちの縄張りを荒らすんじゃないぞ!と無言で文字通り臭わせている。
歩き始めて2時間。他の登山コースとの分岐の「鶯谷」に到着。
「もう少しで上野かな?」などと和ませようとつぶやくが、みんなそれどころではないようだ。
熊への警告としてぶら下げてある鐘を打ち鳴らして前へ進む。

地図ではこの小さな池は「熊の沼」となっている。ここで熊の家族は水浴びでもするのだろうか?
目指す芦別岳の一つ手前の間「雲峰山」が見えてくる。
登りはじめて約4時間の11時過ぎ雲峰山に到着。
目の前に芦別の勇姿が見えて、もう少しだ頑張るべ!と思ったら、
リーダーのクマさんが緊張して先頭にいたせいかへたり込んで休憩していた。
運転手だけでも大変なのに無理言ってごめんなさい!

なんだかんだ言っても頂上に着いたら、みんな達成感で一杯。
登りはじめて5時間弱の開放感。
しかもこの天気。山頂の風が気持ちいい。
なんだか昭和のにおいのする平凡パンチ風ポーズをする、左からショーゴくん、岡本会長、友秀くん。
みんなで記念撮影


 翌日は夕張岳に登る予定をしていたが、下り約3時間半、合計すると8時間以上を歩いた面々は、「もう足が動かない・・・」と連発。加えて天気も下り坂だというので、中止して、軽く登れそうな樽前山に目標を変更し、苫小牧まで移動。

とりあえず居酒屋で打ち上げ!
来年は岡本会長のご希望「立山近辺の山に登りたい」で、立山及び北アルプス周辺でまた一緒に登ろうと意見がまとまる。

2012年9月19日水曜日

ほっとする食事『みそぱん』

 私は地方へ出張に出かけると、地元の生活のにおいを求めてなんでもないローカルのスーパーに直ぐ入ってしまう。
北海道へ行くとスーパーに寄り、真っ先に手にするのが『みそぱん』
四角くてちょっと堅くて、といっても乾パンほど堅くはなく、よそ見をしているとぽろぽろと崩れ出したりして・・・・

何年か前、北海道のトムラウシ山に登ったとき、下山中雨と霧がひどくなり、どこかでコンロを出して食事をしようという状況ではなくなり、そのうち道に迷って遭難しかけて往生したことがあったが、この時寒い体を温かくしてくれたのがこの『みそパン』だった。

味噌だと言われてみなければわからない、ほんのり甘い懐かしい食感。

ところが、この中途半端な堅さがこいつの特徴だと思っていたら、
宮城県大崎市にある道の駅「あ・ら・伊達な道の駅で見つけたみそぱんはふんわり柔らか。
そもそもけったいな名前の道の駅だから、きっとおもしろい物があるだろうと期待して立ち寄ったが、
ありましたがな!
ふんわりした言ってみれば蒸しパンに近い物で、そのスポンジ状のたくさんの穴から、
ほのかに味噌の甘いにおいが立ち上ってくる。
「元祖」と銘打っているくらいだから、確かに自信作。
申し訳ないが、旨くて、運転しながら次々食べてしまったので、どこの誰が作っているのかわからなくなってしまった。

おさらいの百名山 その2『鳥海山2,236m』

 この山の姿を初めて見たのは、10年以上前、
日本海を北海道に向かって航行するフェリーのデッキからだった。
快晴の朝、すこぶる穏やかな波の上にくっきりとその山の姿はそびえ立っていた。

「あの山にいつか登ってやろう!」と思って数年後。
今度は家族の夏の旅行に東北の地を選び、その行程の中にこの鳥海山登山も入れた。
それはいいものの、家族全員とキャンプ用荷物で満杯の車で、金沢から東北を巡り、しかも運転手は数日私だけという状況。
今はどこから登ったかも記憶にないが、9合目あたりでばててしまって、急激に眠くなり、這い松だったかのクッションの中横になってしまい、「ちょっと疲れたからここで寝てる。頂上までおまえらで行ってこい」と家族に手を振った。

要するに、登ったはずの百名山でしっかり頂上まで到達してなかった山だが、頂上がもうそこに見えるんだし家族に代わりに行ってもらったから、まあいいか、とその時は思ったが、実際には登ってないから気になっていた山なんです。

さて、そのすばらしい姿を海側の秋田県にかほ市から見るとこんな感じ。

 
9月2日、今回は北側の由利本荘市猿倉の猿倉温泉に前泊し、
矢島口コースで頂上を目指した。祓川ヒュッテ手前の駐車場には朝7時過ぎでいっぱいの車。

ヒュッテの脇から木道が続き、鳥海山がすっきりと見える。
なんだか早くいらっしゃいよと手招きしているようだ。

しばらく歩くと5合目の祓川神社。
賽銭箱もないので手持ちぶさたでとりあえず脱帽して柏手。


北側だからか残雪も見えて

ふと見るとお地蔵さん。天気の良さにぽかぽか気分で快適な歩き。

六合目の「賽の河原」あたりから花の姿もちらほら



約1時間で7合目の「御田」へ。水田のように湿地が広がり、もう少し早い時期だったら色とりどりの花が見えただろう。
 


大雪渓が足下から涼しさを運んでくれる
鳥海山には「チョウカイ・・・」と付く名の高山植物もいくつかあるようだが、よくわからない。



他の登山道との分岐にあるケルンを過ぎると、いよいよ待望の9合目「氷の薬師」
だんだん道に火山岩を思わせる大きな石が増えてきて、

もうすぐ頂上だ!と一踏ん張り。
やった!とうとう頂上だ!とたどり着いたのが、七高山頂上(2,230m)で、
 どれが何だかわからない、恐山の風景みたいにたくさんの石碑があり、
一番新しそうなのが、東日本大震災の際に登山安全祈願で持ってこられたもののようだ。
ここより6mだけ高い本当の頂上、新山は向かい側に鎮座していた。
こんなところにも頑張っている植物がいる。

新山、手が届きそうなほど直ぐ近くなのにこれがまた手強いこと。
一度岩場の谷を下り、
快晴なのに風が強くなってきて吹き飛ばれそうになりながら、
また岩場をよじ登る。

お~っ!日本海だ!男鹿半島も見える。
10数年前はあっちからこの山の頂上を見ていたわけだ。


登山口からほぼ4時間で畳に常ほどの狭い山頂にたどり着く。
風が強くて頂上の看板を抱えてないと飛んで行ってしまいそうだ。
無事おさらいの終了。

下山後、麓の名水でのどを潤した。