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2009年7月12日日曜日

ドイツ紀行 その5 そして、ドイツアルプス

 今回の旅の目的の一つはドイツアルプスの山への登山だが、到着して2日間は天気予報はほとんど同じで「曇り時々晴れ、一時雷雨」
ドイツアルプスの登山基地であり、1936年の冬季オリンピックが開催された町ガルミッシュ=パルテンキリュヘンGarmisch-Partenkirchenへ到着したときも雨上がりで曇り空の夕方、ここまで来たからには登らねばと薄暗くて古いホテルの部屋の窓を開けると、目の前にここから登れる山では2番目に高い山「アルプスピッツエAlpspitze(2628m)」が見えた。
 翌朝の快晴の空には、それだけで感動して、いそいそと山へ向かうゴンドラ乗り場に向かう。
ちなみにドイツで一番高い山がツークスピッツエZugspitze(2962m)という山。この山もこのガルミッシュから登ることが出来るのだが、何と、登山鉄道とロープ-ウエイでほとんど頂上まで行ける山で、何だかありがたみのない山だなと言うことでその横にそびえるアルプスピッツエを選んだ。
天候は抜けるような青空で、紫外線もビンビン降ってくるような感じだったが、平日で人が少ないこともあり、ロープ-ウエイで途中駅まで登り、頂上下のポイントまでおよそ2時間快適な登り、次々と高山植物の花々が現れ、なんだかハイジになったような気分。





残念ながら、アルプスピッツエ頂上手前で濃霧が発生し、加えて残雪の場所もちらほら出てきて、アイゼンを持ってこなかったので、一つ手前の峰で引き返したが、山の色んな角度からの登山道や遊歩道がきれいに整備され、標識もわかりやすく、かといって無駄な工事で周りの自然が損なわれることもなく、深呼吸がしやすい山だった。









ドイツ紀行 その4 いざ、バイエルンへ!

 もたもたしないで、バイエルンに行こう。
アウトーバーンを南下して、日本人観光客がこぞって通りたがる「ロマンチック街道」を横目に、ローテンブルグ、アウグスブルグ、そしてミュンヘン。大都市の街中で迷って、散々宿を探し、結局ろくでもないホテルに収容されるよりは、田舎町のきれいなホテルでゆったり過ごしたいと、ミュンヘンの外環道をすり抜けて、アウトーバーンの標識は隣国オーストリア、ザルツブルグの方向を指すようになる。
 昔、2ヶ月間だけ語学学校にいた時に住んでいた町「プリーンPrien am Chiem See」へ。プリーンはあのドイツの観光ポスターなどでおなじみの「ノイシュバインシュタイン城」を作ったバイエルンの王、ルードイッヒ2世がフランスのヴェルサイユ宮殿を意識して、ノイシュバインよりもっと気合いを入れて湖(キーム湖)に浮かぶ島に作った城「ヘレンキムゼー城」のある小さな町。ノイシュバインシュタイン城ほど日本人観光客が多くないので、かつてドイツ滞在中に日本人の知り合いが来たり、帰国後もドイツに行ったら、同行の日本人に紹介してきたので、何度も来てるが、街中ですごく雰囲気のいいレストランとアップルケーキの美味しいお菓子屋があったのを思い出し一晩滞在。昔、よく行った中華料理屋も、アップルケーキの小さなお菓子屋もなくなっていたが、雰囲気のいいレストランは健在で、生きのいいお兄ちゃんのウエーターが何も言わなくても「ヴァイスビアー(白ビール)お代わりね」と持ってきて、大きすぎて食べきれないヴィナーシュニッツエル(ウイーン風カツレツ)を見て、「持って帰って明日の朝飯にでもしてくれ」とアルミホイルに包んでくれた。どこでも田舎はいいなと感じた次第。
翌日は、もっとオーストリアに近い山を越えたらザルツブルグという町、バートライヒェンハルBad Reichenhallへ。この町にはホテル学校に在籍していた1年間住んでいたが、25年経って改めてゆっくり歩いてみると色んな発見があった。この町を日本で紹介する時によく例に出すのが、最近ちょっとしたスーパーでも売っている塩のこと。円筒型の青い色のパッケージで「アルペンザルツ」と日本語のタイトルが付いている、あの塩を作っている会社のある町で、創業はすでに500年近いはず。とりあえず、昔懐かしのホテル学校へと足を向けると、改装工事中。それでもこんな形してたな、としばし立ち止まってみてると工事中のおじさんから変な目で見られ、横の中学校の生徒からは「おめーは中国人かチャンチュウチョン!」などと言われ、これは昔と変わらないなと思い出す。

温泉保養の町でも有名なこの町のメインは、もちろん塩だが、今回初めて製塩会社の古い施設で今は資料館になっている施設を訪問する。観光用の地下通路コースや水をくみ上げるための大きなポンプ用の車輪など、こんなすごいものがこの町にあったのかと改めてびっくりする。製塩の際には地下水をくみ上げて、その地下水ミネラルを利用して温泉保養に使う。







下の写真は地下水を高い棟の上から下に少しずつ流して、途中にぎっしり詰まった木の枝にしずくをはじかせて、いわゆる天然の霧ミスト状にして、それを下にいる保養客が呼吸からそのミネラルを取り込むという施設で、ドイツの各地の温泉保養地にある。もちろんこの水を湧かして温泉にもする。ちなみに町の名前Bad ReichenhallのこのBadはお風呂のことで、ドイツ各地にBadの付く町が多く、ほとんどが温泉の町。
ドイツでも有数の温泉保養地だけあり、ビジターセンターがしっかりしていて、水くみの蛇口がたくさんあったり、のんびりチェスをする老人がいたり、長期滞在者向けの周辺地域へのツアー専門コーナー、もちろんバスソルトや塩を使った化粧品や塩のキャンディーなども売っているショップ、それに定期的にコンサートが開かれるホールなどもある。


ドイツ紀行 その3 マイン川の朝の風景

 またまた、1週間過ぎて、旅行記を書くというのは、記憶をとどめるために、ちょっと焦ってしまうものだ。とりあえず、私のドイツのイメージは住んでいた南の州バイエルンのイメージが濃く、バイエルンがなかったら平坦で暗いドイツという土地に住まなかったかもしれないと思っている。ついでに言うと、太平洋側の方がよく、日本海、特に北陸地方のことを「暗く、低く立ちこめる冬の空は耐えられない!」と言うのですが、ヨーロッパの冬はそれどころじゃないですよ。緯度も高いので冬は日照時間も短く、私の記憶だと夕方4時から朝は8時までお天道様は姿を出しません。それに冬の気温は私の住んでいたドイツの南の方でも氷点下20℃の日が続く。それでも太平洋側住民は「凛とした空気の冬のヨーロッパに行きたい!」などとほざくんですよね。まあ、一部の人だとは思いますが・・・・
 ちなみに、私の個人的な感覚では冬の太平洋側の天気はすこぶる異常です!快晴の空に富士山がくっきり見えるなんて図は、銭湯の湯船の壁画にしか思えない!変化のない土地に住んでいてかわいそうだな、と哀れみを感じるくらいだな。

 まあ、それはそれで、そのうち見解を述べるとして、レンタカー交換のヴリュツブルグで今回ドイツで初めての朝を迎え、出先での習慣の朝の散歩。マイン川をはさんで、市庁舎や世界遺産の宮殿(レジデンス)のある市街と山の上の要塞マリエンベルクとブドウ畑の広がる丘があり、宿泊したブドウ畑側から川を渡り、旧市街へ歩く。川のそこが低いのか、水位が低いからか、運河がありそこにためられた水の上をゆったりと船が通っている。橋のたもとの朝早くからやっているパン屋で朝食。ドイツは食べ物がまずいという人もいるが、基本的な食べ物、パン、ビール、ワイン、ソーセージ、コーヒーなどは私の知る限りヨーロッパでは一番美味しい国だと思う。たくさん種類のあるパンの中から、一つを選ぶのは大変な気合いがいる。