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2011年7月1日金曜日

そういえば・・・

 数年間伸ばしていた、というより貼り付かせていたヒゲを剃った。
剃った初日、どうしたのですか?などと聞かれるかなと思い、
色々回答を考えていたのだが、誰からもそんな言葉が無く、
気を遣って聞かないかな・・・・などと考えていたが、
「変化したんだけど」と言っても「何か服装でも変えたんですか?」くらいの反応。
しょうがないので「ヒゲ剃ったんだけど」と言うと、
ほとんどの人間が「そういえばそうですね」という反応。

改めてあまりインパクとの無いヒゲ、もしくは顔なのだと再認識。

そういえば、と思った方、一度このブログのトップの顔でもしげしげ見て下され!

2011年6月28日火曜日

百名山No.85『塩見岳』(3047m)

 6月25日、当初は北岳、間ノ岳を連休でこなそうと意気込んでいたのだが、北岳の山小屋からの情報で、今年は相当雪が残っていて、しっかり装備しないと来れないよ、というようなご意見をいただき、天気も雨模様なので、数日前に目標を塩見岳に変更する。

 小雨のちらつく中、駐車場のゲートから林道を約1時間歩き鳥倉の登山口に到着。
入山届け用紙箱の横には、自転車が寄りかかっていて、そうか、この1時間を短縮するには自転車だな、とひとしきり感心して8:20カラマツ帯を登って行く。
豊口山を横に見て、尾根を上り下りして塩川ルートからの分岐に到着したのは出発して2時間の10:20
途中いくつかの行程表示の看板を見る。
どこへ行ってもそうなのだが持参した地図とは距離も時間もいくぶんズレがあり、オマケに霧雨の天気で気圧が低く、腕時計の高度計の表示は全くあてにならない状況で進んで行く。

11:00三伏峠(さんぷくとうげ)小屋に到着。雨具もザックカバーもずぶ濡れ状態で、小屋のオープン準備をしていたおじさんに「大変な天気の時に来たね。ここ数日は景色は見えないよ」とあっさり言われた。今年初めての百名山、早めの昼食の後めずらしく記念撮影などをしてみる。


雨の中では高山植物たちもおおっぴらに花を開けない状態だが、それがまたしっとりとしていて、かわいく見えたりする。
 


 三伏峠小屋の先の分岐点。左は塩見岳方面、右には荒川岳方面と有り、烏帽子岳、小河内岳を経由して縦走する強者が一杯いるのだろう。

 ちなみにこの立派な看板は登山道の所々に設置してあり、「特殊東海製紙社有林」と大きく表示されている、日本の製紙会社もしっかり日本の森林を守り、国産のパルプに利用しているのか、やるもんだな、ふむふむ、と思っていたが、小屋のおじさんに聞くとずいぶん昔に「この山からあそこに見える山まで買っちゃうね」とエイや!で購入して、南アルプスの多くの山はこの会社の社有林だとのこと。でも、全然手入れしてないし、選任の作業員もいないようだとのこと。
3年くらい前にこの標識が立ったようだけど、南アルプス国立公園内だから環境省のお達しでなかなか伐採はできないのだろうか?間伐しないと益々荒れてくるんだけどな、などとつぶやいてみたりする。

 などと言っているうちに本谷山(2658m)に到着。登山口からちょうど4時間。

 最後の直登をぜーぜー言いながらどうにか登り切り、14:40今夜の宿「塩見小屋」に到着。
実はこの山小屋、今年のシーズンのオープン前で準備段階のところ無理を言って泊めてもらうことになった。
 水場も遠く、トイレも携帯トイレを抱えて雷鳥みたいにハイマツの茂みで用を足すという大変な場所で、冬は雪の吹きだまりになるので、まだしっかり小屋の前は雪の山。
こんな大変なところに何でまた山小屋を・・・と薄日の差す空を眺めていたら、突然現れた山の姿。
右が頂上手前にある「天狗岩」そして左側が三角点のある塩見岳西峰。
小屋を作った初代小屋守はこの景色に惚れたのかもしれないな。
収容人数30人くらいの小さな小屋に、
何の因果か奈良から来た若いオーナー夫妻と
今年で6年目だという東京出身のお姉さんの3人で切り盛りしていて、
夕飯は今年のメニューの試験台とは言え、寒天製の蕎麦やしっかり美味しい揚げ物まで付いていた。
小屋の横にこれから仮設の小屋を建てるとのことで、それを含めて収容人数は倍くらいのなるようだ。


翌26日、スッキリ晴れた天気を期待していたが、残念ながらまたもや霧の中。それでも霧の中には雷鳥がいるはずだと小屋から約1時間の頂上を目指して岩場を登って行く。頂上付近はもうほとんど霧が束になって雨と化して横殴りの風とぶつかってくる状態。当然回りの風景は霧だけ。
そんな中でも高山植物は花開く次期をしばし待っている。

下山途中時々散っている花びらを見つけ、見上げると桜が咲いていた
1日目登り7時間、2日目塩見小屋~頂上往復を含め8時間の今年初めての百名山だった。


ちょっとスリリングな初体験 避難小屋泊まり 二百名山No.35安平路山(2363m)

 寝具の用意されている山小屋やテント場でのテント泊は何度も経験があるのだが、
無人の避難小屋に泊まるのはこれが生まれて初めて。
 6月11日、雨の多治見を出発し、妻籠から大平街道を進み、
大平のさびれた村から悪路の山道、摺古木山方面へ慎重に進み到着したのが
行き止まりの「摺古木自然園休息舎」(1770m)
なんだか大げさに聞こえる建物だが、まあ、これも簡単な無人避難小屋と行ったところ。
今回は小屋泊まりだと言うことでのんびりとここで昼食。

実は去年も一度ここまで来ている。
大平の村からちょっと入ったところに通行止めのロープが張ってあり、
林道を2時間半掛けて歩いてこの休息舎にたどり着いたのだが、それだけで疲れてしまい引き返した経緯がある。
雨上がりの登山道を歩くこと1時間半、さすがに小屋泊まり用の物資がいつもより多いせいか、背負っている荷物が重く感じてきたころ、地図には展望台と標記してあるが、見渡しても雲だか霧だかわからない白いだけの風景。
尾根沿いの道で息を整えながらさらに1時間、たどり着いたのが「白ビソ山」(2265m)


この季節の雨上がりの道でちょっとホッとするのが、倒木にびっしり色づく苔類。つい触りたくなり、時には頬ずりもしたくなる。
今宵の宿、安平路避難小屋に到着したのが午後4時過ぎ。
他に誰かいて、すでに昼寝でもしているかなと思ったが、人の姿は見あたらず。
 相変わらず回りの山は霧の中で、鳥の声もしないし、そもそも今日途中に出会った人は下山の1人だけ。小屋の扉は歪んでいるせいか動かそうにもびくともしない。
横に回ってサッシの窓から中に入り込む。
土間のカベに大きな看板「トイレは伊那側でして下さい」伊那側ってどっちだ?

 だんだん辺りが暗くなって「晩飯にでもするか」とプロ野球中継をやっているラジオに語りかけて、ふと気がついたことが一つ。
12畳ほどの小屋の板の間の部屋には、窓が両面に4枚ずつ。そのどれにもカーテンが着いてない・・・・ということは外からは、ランタンに照らし出された今日の泊まり客の姿がしっかりと見えているはず・・・隣の作業道具のおいてある小部屋には小さな動物、イタチか何かの糞が山盛りになっていたので、この床下はもしかしたら彼らのすみかかも。
それより、誰かが外からじ~っとこちらをのぞき込んでいたりして・・・・・

 雲がとれたのか、月明かりが窓から差し込んできて、
ちょっとゾクゾクしながらシュラフに潜り込む。

 翌朝、どうにか晴れ間が見えてきて、登り1時間ほどの頂上へ向かう。
頂上は林の中で回りの何にも見えない空間。
北の空木岳~南駒ヶ岳~越百山と縦走してくる登山客も多いとのことだが、
安平路山頂上からは笹藪だけでどこが登山どうだかよくわからない状態。
そんな中、はるか空木までの山並みが林の中から見える。

小屋に戻る途中に水場で顔でも洗っていこうかと振り返ると、御嶽山がどっしりと居座っていた。
とりあえず、今年初めての200名山の一つに登頂。