2月4日 銀座ヤマハホールでのコンサートは、公演数日前までメインのギターリスト渡辺香津美しか私の意識に無く、「そういえば、他に二人一緒にやるんだな・・・」とチケットを見直すと村治佳織と村治奏一とあった。
残念ながら、ここまで来ても、何だかどこかで聞いたことあるな?ぐらいしか思わず、もともとクラッシック畑には弱い私。そうか、ヤマハホールだもんな・・・と会場に入っても香津美のギターのフレーズを口ずさんでいた。
はっきり言って、すごく眠かった。すごく眠くなった。
これが食後にちょっと物足りないなと、焼酎のボトルを持ち出してきて、一杯やりながら本を読む、そんな時にはいいかもしれないが、ここは新装開店のほどよいスペースの木をふんだんに使ったホール。まぶたがくっつかないようにと必死だった。
でも、それを耐えることができたのは香津美の、楽譜には載っていない、絶妙なテクニックというか粋な音運びというかが時折見れたからだろう。
おそらく、会場の半分以上は天才少女と唱われた村治佳織とその弟の奏一のファンだったのかもしれない。その証拠に寝息を立てている人が周りにいなかった(笑)
そして、当人はおいくつになられたのか知らないけど「私は16才でアランフェス協奏曲を弾きました!」とまだ堂々と言えるかつての天才少女に、「テクニックは最高だよ!その演奏に広がりを持もたせ自分自身の音にして、最後は楽しんで弾くということをおぼえて欲しい」と香津美は決していやらしくないレベルで伝えたかったのだろうと思う。
そんな観点で見ていると、ラストのアンコールでは「フーテンの寅のテーマ」から始まり美空ひばりなんかの曲も3人で弾いていたシーンが一番楽しそうではあったし、美貌の持ち主の佳織とゲーム小僧だというちょっと暗い聡一姉弟も今後もと大きくなってもらいたいものだと感じた。
でも、コンサートが終わった瞬間、私は香津美の唸るギターの『トチカ』が無性に聞きたくなった。