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2009年6月27日土曜日

都会のそよ風 浅草・仲見世

 平日とは言え、夕暮れ時の浅草、雷門の大提灯から始まる仲見世は夕涼みがてら国際色豊かな観光客の人垣で埋まる。揚げ饅頭をほおばる制服の学生達、並べられた扇子を次々と開く白人女性、人形焼きの機械ののんびりした動き、流れてくる韓国語、中国語・・・・
浅草寺までの参道のこの道の人の流れにちょっとうんざりしてきて、表通りの商店街の一つ裏の通りに逃れる。

人通りのほとんど無いシャッターを下ろした店の一つに、そのシャッターの絵を描いているおじさんがいた。腰にぶら下げた袋には、商売道具の一式。筆が数本、ペンチ、メジャー、筆をぬらすための液体を入れてあるのか小振りの水筒・・・・

そのおじさんの脇にはきれいに白に塗られた自転車とその後ろにリアカー。
リアカーには数々の色の入った瓶がきれいに並べられ、それぞれの瓶はアクリルの立方体のケースに収まっている。リアカーの後ろには「NEW YORK TAXI」の看板。雑踏のひと壁向こうの静けさの中、彼の筆はゆったりと進められ、時折、涼しい風が通りすぎる。

2009年6月21日日曜日

駐車場封鎖事件!

 なんだか、ものものしいというか、平日のアイドルタイムに、ひたすら無駄な電気を消費している2時間ドラマみたいな響きになりそうだが、ゲートがあって、敷地の中の規定の白線に沿って車を停めるたぐいの駐車場でのちょっと前にあった出来事。
 金沢の繁華街の裏通りにそこに並んでいた映画館は全て閉館撤退したのに、名前だけ残っている「シネマ通り」という小路があり、今は映画館跡地に駐車場がいくつか町のど真ん中にのんびり間抜けな空間を作っている。
 そこから50メートルくらいの所に、109という某鉄道グループのファッションビルなるものが建っていて、ぬあんだかよくわからない、へそだか背中だかを出して、きらきらメッキの飾り物をそこら中にぶら下げて、日本女性の最大の武器である碧の黒髪をケトウ色(←これは差別用語ですかね?)にしたネエちゃんアンちゃん達の寄ってくるようだが、その最上階、といっても4階ですが、にある「シネモンド」http://www.cine-monde.com/というミニシアター系の小さな映画館があり、時々足を運んで、じっくり映画をかみしめています。全国にはこの手の過大広告なしのまじめな(あえてこう表現しますが)映画館がまだまだたくさんあるようですが、どこも経営は厳しいみたい。その日は確か日本映画『ぐるりのこと』を観て、ちょっとほのぼのとした満足感を抱えて外に出て、駐車場に向かった。入るときに受け取った(勝手に機械がはき出すのだけど)カードと精算のための小銭をいくつか握って出口のゲートまで行き、さて「カード投入口」にカードを入れようとすると、これがなかなか入ってくれない。えっ?なんでや?何度もやってみるが、やる度にカードはひしゃげていってよれよれになっていく、その瞬間、その「カード投入口」のカネゴンの口みたいな横一本の線の隙間に何か光るものがあった。何かと思い車を降りてそのカネゴン口をまっすぐの覗くと、ぬあ~んと!コインが横一列にびっしり挟まっていて、誰かがカードを入れるべき所にコインを入れてしまったみたいで、さすがカネゴン!と唸ってしまった。
 などとたわけた感心をしていると、後ろに3台同じようにこの駐車場を出ようという車が並び、「早くやってくれませんか!急いでるんですよ」と駅の券売機の操作のままならない老人に言うように怒ってきた。「いや、私も急いでいるんですが・・・」とにかくこのコインをほじくり出さねば!と、とっさに車から愛用の耳かきを持ち出し、それをカネゴン口に突っ込んで、コインを一つ一つはき出させていく、これがなかなか手強くて、なかなか出てこないくらいこの「カード投入口」にコインを次々押し込んでいった輩がいたことになる。そのうち、ちょっと前に電話で呼び出し、極めて面倒くさそうな声で対応してきた管理人なるオヤジもやってきて、オヤジが言う第一声「困るんだよね、こんなところでもたついてもらっちゃ、後ろの人たちの待っている間の料金も払ってもらうよ」「あのね、被害者は私もなんですよ!」
 さて、耳かき作戦は功を奏し、カネゴンはうっすら口を開けて、カードを待つ状態に戻り、いちゃもんオヤジも機械の中のリセット装置を押して、約30分くらいで外に出ることが出来た。しかし、誰がこんな事を・・・・改めてこの機械の表示を見ると、「カード」以外の文字は全て漢字で、カタカナも読めない奴がいたのか?まてよ、最近金沢も外国人が増えて、「おにいさん、マッサージいかがですか?」などというビザなしお気軽不法滞在者もいるようだから、漢字だけはしっかり読める民族の仕業かな・・・と、車のハンドルを握ろうとすると、拳の中手のひらにはしっかり30分の耳かき労働賃金、5枚の100円玉が汗まみれになっていた。

「赤」の記憶  

 「国民の立場に立った政治を・・・」などと休日にもかかわらず、言っている意味もわからない騒音をまき散らす宣伝カーが、ちらほら走り出したこの時期、をテーマにすると、某政党を支援しているのかと勘違いされるのでは、と思ったが、この就職難の時代に学生運動を引き起こす元気(もしくは余裕)のある学生も、組合運動で徹夜する労働者も少なくなったここ最近の風潮だから、そんな勘違いもないだろうとこのタイトルを付けてみた。
 以前、がコーポレートカラーの日本の航空会社には、乗らないことにしていると言うと、あの会社は大変なんだから乗ってやれよ、みたいなことを言われたことがあるが、基本的に私はという色が生理的に極めて節操のない、それでいて何ら芸もない色だと思っているのであの会社の飛行機のマークの色がオレンジ色くらいになったら乗るかもしれない。
  思い起こすと私にもそんな時代があったのだが、保育園の時代だったか、お絵かきの時間があり、「みんな仲良く遊んでいる風景を描きなさい」というようなテーマを与えられ、絵を描くことが好きだった私は、意気揚々と完成した絵を先生の所へ持っていった。他の園児たちもわれ先にと、先生の元に駆け込んできて、みんなの絵が並べられていった。並べられた絵をみんなで見比べ、先生も一つ一つ眺めていた、とその時、一瞬沈黙があり、「これは誰が描いたの?」という質問と共に全員の視線が私に注がれた。などと文章を書いていくと「そんなに詳しくおぼえてるのか?」と突っ込まれそうだが、そうです、実際それなりに脚色してます(笑)
  でも、次の園児の誰かの言葉は衝撃に近いものがあった。「なんで、お日様が黄色いの?」なんで?なんでって・・・・えっ?別に黄色いから黄色で描いただけ。
それで他の子供達の絵のお日様を見ると全員クレヨンケースから取り出したままの「あかいろ」を使って塗りたくってあった。反対に私は聞いた「何でお日様がいんだ?そんな風に見えるのか?」実は、私には燦燦と輝く太陽の光は白に近く感じていたが、白だと画用紙の色と同じだから見えなくなるし、時々くすんで淡いクリーム色になると思っていたが、残念ながら12色のクレヨンにはそんな色はなく、■黄色を一度塗った上に白を塗って表現していた。ところが衝撃は続いていく「太陽は高い温度で燃えて光を出しているからです。」と先生。そうだよ、燃えているんだからいに決まってる、と園児達も続けてわめきだす。それでも私には決してには見えない・・・・
 それ以来、クレヨンの色そのままのや絵の具のチューブの「あかいろ」から出したそのままのは私のとって「節操のないバカ」の色である。だから、赤い色の車に乗っている人は少なからずバカに見えて、赤いMマークのハンバーガー屋に列を作る人種は私には考えられない「たわけ」の群れ。
 あかね色、えんじ色、朱色・・・に近い色は自然界の中にも、日本古来の史書や文学作品の中にもたくさんあり、それらはそれらで自然に映るが、燃えているから絵の具チューブから出したままのだという考えはいまだに理解できないし、そんな安っぽい燃え方しかできない人間が増えているのは寂しい限りだ。
↑上の「赤」の字の一つだけチューブから出した赤色じゃないものがありますがわかるかな?