車好きの人ならドイツと聞くと「アウトーバーンは本当に制限時速がないの?それ、最高だね!」という方が多いが、もちろん時速160㎞くらいで走っていると後ろからパッシングされることもあるので、スピード狂の方には堪らないだろうけど、知らないうちに煙に塊と化する車もあるようだからお気をつけあれと言っておく。そもそも、日本のように国土の7割が山岳地帯に高速道路を張り巡らそうとする方が間違っていて、無理に道路を作れば、そこら中に高低差があったりカーブが連続するのはあたりまえで、ひたすら平坦な景色の続くドイツにはそんな心配なくまっすぐな道が高速走行のベースになっていると考えればそんなに驚くことでもない。
私にはそんなことより、そのアウトーバーンで感心することがまだ他にある。
まずは料金が無料だと言うこと。最近、景気対策と称して「一般車」だけ、それも土日祭日だけ、どこまで行っても高速道路料金1000円という事になっているが、それで果たしてどんな効果があるのかひたすら疑問だ。確かに一般消費者がうろついて、最近は色んな所のナンバープレートが観光地や高速のパーキングエリアなどで見かけるが、道路渋滞が増して、運転しているお父さん達がどうせ1000疲れてしまうだけのように思う。そのうち、これだけ通行量が増えたので、新しい道路や道路の修復には当然予算増大が不可欠だ!などと、いわゆる道路族と呼ばれる原始的職業のドカタ屋さんとセメント屋の首相(もう、こう呼ばれることはないかな?)が組んでストーリーを作るのかと見えてしまう。料金を見直すなら、
日本の高速道路を初めて建設したときに、時の首相が約束した「近い将来無料にする」という言葉をそろそろ実行して、「全てタダ!」にしてはどうだろうか?
例えば、うちの会社のドイツの取引先はドイツでも南のシュツッツガルトに近い場所にあり、そこから荷物を出荷する北の港ハンブルグまでは距離にして約700㎞、この距離は東京から出発すると広島県福山あたりまでの距離となり、日本なら高速料金は大型車で片道24、250円、トレーラーだとなんと片道40,400円、ドイツの製品はしっかりしている上に、価格的にも納得いくレベルになっている現状では、この数字を見ると料金1000円にして観光地でお土産を買ってもらう効果より、製品原価を少しでも下げて国際競争力を付ける方が重要だと思うのは私だけなのかな?
最近、この高速1000円作戦で、民営化どこ吹く風的に、のほほんと伝統的な天下りを平気にやっているJR各社も、ちょっとは脅威に思ったか、色んなタイプの「トクトクきっぷ」を企画しているが、まだまだぼったくりのレベルにはある。JRが値下げしないので、料金を安くしたいとウズウズしている航空各社もため息混じりの戦略しか取れないのではなかろうか。
ちなみに私は個人的に「ぼったくり路線」の最たる東海道新幹線には、よほどのことがない限り乗らないことにしている。