金沢には市の運営する「金沢市民芸術村」という施設があり、以前紡績工場だった煉瓦造りの建物を保存しつつ、演劇、音楽、美術の活動をする市民のために24時間オープンしている。
以前は子供達をそこにある演劇チームに参加させていたり、地元の劇団の芝居を観に時々出かけていたけど、最近は朝の自転車での通勤に横を通るくらいになってしまった。
その芸術村の円筒状の火力発電所の小型みたいな形のホール「パフォーミングスクエア」で、昨日開催されたのが『VOX OF JOY』
http://www.voxofjoy.com/という5人組(+新人3人)のゴスペルボーカルグループのクリスマスコンサート。もともと、ゴスペルは私の得意とするところではないジャンルで、日本人が無理矢理アメリカなまりの英語を、オーバーアクションでわめくというイメージしかなかったのだが、地元のグループが芸術村でやるというので突然思い立って出かけた。
実際の所、私のゴスペルに対するイメージはそれほど変化はなかったものの、半分以上の時間を費やしたバックバンドのプレイには、これだけのミュージシャンがこの地方都市にもいたのか!と驚かせてくれたし、屋根の高い会場をフルに使った音響と照明、そしてステージ作りには「なかなかやるじゃないか!」唸らせるものがあった。
あとは本体のゴスペルグループだな。なんだか、観客の層がその関係者が多いのかなと感じさせたように、このグループは生業としてフラワーアレンジメントや英語(ネイティブと表現するそうだ)の教室を持っていて、そのコマーシャルを中心としたしゃべりがやけに長かったし、田舎で活動するミュージシャンの決まり文句みたいな「ニューヨークにいた頃には・・・」というフレーズはちょっとげんなりしてきた。
ただ、永六輔+いずみたくコンビの名作『見上げてごらん夜の星を』を取り上げたのは大いに評価できる!!
コマーシャルやるなら、この時期稼ぎ時の某ハンバーガー屋と鶏の唐揚げ屋をスポンサーに引き込めば、もっとアメリカナイズされてよかったかも。
まあ、何はともあれ地元に根付いて(だと思うが)頑張っているという点は一観客としては大いに評価できるものではあった。
そして、もう一つの地元ネタ。
今日、新聞(もちろん地元のですが)の一面には、
「ツエーゲン JFL昇格」と出ていた。 『ツエーゲン金沢』は、地方のサーカーリーグ「北信越リーグ1部」に参加している2006年創設の地元のサッカーチームだが、そもそも、ドイツ語造語のZweigenを金沢弁の「つえーげん!(強いんだ!)」に掛けたチーム名が私には妙に引っかかる。Zweigenはツエーゲンとは読めず、ツヴァイゲンと発音する文字で、ホームページ
http://www.ishikawafc.sv.bigsite.jp/index.htmlでは
<ドイツ語で「2」を意味する“Zwei(ツヴァイ)”と「進む」を意味する“Gehen(ゲーン)”から、『チームとサポーターが共に進んでいく』の意味。>とあるが、Zweigは「枝」の意味で、zweigenという動詞になると「枝分かれする。分裂する」という意味になるのだが、誰も気がつかないのだろうか?これも誰かが教えたネイティブってヤツかな。
まあ、これもともあれ、地元の活性化のために市民の多くの寄付で活動しているチームが、その活躍の場を広げて、何よりもチームのメンバーのやる気を起こさせてくれた嬉しい知らせではある。金沢は日本海側の町としては、伝統的にも夜の繁華街の明るさも勝っているのに、しばしば新潟より後れを取っていて、(個人的には全く必要とは考えてないが)新幹線も新潟のいちゃもんで開業時期が延びそうな状況下、ここでしっかり「わしらはつえーげん!」とわめいてほしいものだ。