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2009年12月26日土曜日

さすが、鉄人!

 神戸での仕事の合間に、寄っておきたかったのが、新長田の駅から商店街を抜けて、若松公園に忽然と現れる『鉄人28号』 震災の時はこの辺り一面焼け野原だったのをここまで復興させて、その象徴と言うべき姿で力こぶを空に向けて立っている。

 クリスマス前だったのでそこらに浮かんでるサンタの張りぼてと比べられそうで、足もとに寄って確かめてきたが、地元の鉄工所の人たちが4年がかりで製作したというだけあって、溶接もしっかりとしていて、厚い鉄板の音がした。

 私たちの時代のヒーローというと年が想像できてしまうが、本当は私の鉄人28号の記憶としては、保育園の時の斜めに肩に掛けるいわゆる「幼稚園バッグ」が鉄人28号の絵だったのは覚えているものの、実際に白黒テレビで映像を見ていたという記憶がない。
 ただ、つい最近、ケーブルテレビのアニメ専門チャンネルで、当時の勇姿を見ることが出来て、「なるほど、こんなストーリーだんったんだ」「正ちゃんはこんな風に動かしていたのか・・・でも、レバー一つのリモコンでよくあんないろんな動きが出来るな・・・」などと感心して見ていた。
 見ていると、このストーリーが高度経済成長期のはしりの日本の、一つの憧れというか奮い立つような熱意に後押しされた目標を子供達にも叶えさせてやろう、という作りになっていて、なんだか妙に元気が出てしまう。
 例えば、鉄人を動かせるのは正ちゃんの持つリモコンだけなのだが、そのリモコンを狙って世界中の国イギリス、フランスをはじめ先進諸国、果てはインドまで、いろんな国がスパイを送り込んで争奪戦を行う。戦後の復興からどうにか製品らしい製品を作り出せたものの、なかなか世界に相手にしてもらえないでもがいていたこの時期に、日本はこれほど高度な技術力を持っているんだ、どうだ参ったか!!と発信しているようで、何となく涙ぐましくもある。
 それにしても、子供の頃から、この寡黙な(しゃべらないか・・・)鉄人の目はちょっと怖かったが、「日本をなめんじゃないぜ!」と睨んでいるように見える。
今、この鋭い目が日本には足りないな、と感じた次第。




 

2009年12月23日水曜日

ようやく冬らしく・・・

 どうにか先週あたりから北陸にも雪が降り出し、冬らしい風景が見れるようになり、冬の味覚も身が締まってきて食べ頃になってくるのではと喜んでいる。写真は近所の川原の散歩道の桜並木。

 冬場、遠方の方に挨拶代わりによく言われるのが、「金沢は寒いでしょう?大変ですね」
そんな風に言う人には、「もしかして金沢が青森か秋田の横あたりにあると思ってませんか?」と聞いてみる。大体の方は「えっ?そうじゃないの?」という顔をして一瞬返事が出来なくなる。
確かに金沢をはじめ北陸の各地は雪が降ります。でも、気温は氷点下になることはそんなに多くはない。それに雪も水分を多く含んだ雪なので、太平洋側の冬のからっ風に比べると暖かく感じることが多い。

 そんなこの季節に、去年あたりから、家の納戸に眠っていた火鉢を取り出してきて、炭に火を付けて暖を取ることにした。温風器から流れてくる温風でも無ければ、石油ストーブの反射板から照らされる熱でもなく、火が付いているのかどうなのか、はっきり認識できないこともあるような姿だが、それなりにしっかり温めてくれているし、炭火に新しい炭を継ぎ足しながら、赤くなっていく炭をのんびり見ていると、火力以上の秘められたパワーみたいなものを感じてしまう。

今はパーソナルタイプの小型の火鉢しか持ち出してないが、これが回りに数人囲めるような大きさのものもあるので、そのうち物置から埃をはらって出してこようと思っている。

ちなみに現在の火鉢セットはご覧の通りで、炭は匂いの少ない、「おがくず」を固めた炭でパチパチはぜることもないので、静かなヤツ。そいつを、はじめの点火の時はカセット式のガス台に載せて着火させる。手袋、団扇の他に、大振りで長いちくわみたいな形の炭を、ほどよい大きさに割って分けるためのハンマーなども道具のうち。

2009年12月20日日曜日

金沢発のいろいろ

 金沢には市の運営する「金沢市民芸術村」という施設があり、以前紡績工場だった煉瓦造りの建物を保存しつつ、演劇、音楽、美術の活動をする市民のために24時間オープンしている。
 以前は子供達をそこにある演劇チームに参加させていたり、地元の劇団の芝居を観に時々出かけていたけど、最近は朝の自転車での通勤に横を通るくらいになってしまった。

 その芸術村の円筒状の火力発電所の小型みたいな形のホール「パフォーミングスクエア」で、昨日開催されたのが『VOX OF JOY』http://www.voxofjoy.com/という5人組(+新人3人)のゴスペルボーカルグループのクリスマスコンサート。もともと、ゴスペルは私の得意とするところではないジャンルで、日本人が無理矢理アメリカなまりの英語を、オーバーアクションでわめくというイメージしかなかったのだが、地元のグループが芸術村でやるというので突然思い立って出かけた。

 実際の所、私のゴスペルに対するイメージはそれほど変化はなかったものの、半分以上の時間を費やしたバックバンドのプレイには、これだけのミュージシャンがこの地方都市にもいたのか!と驚かせてくれたし、屋根の高い会場をフルに使った音響と照明、そしてステージ作りには「なかなかやるじゃないか!」唸らせるものがあった。
 あとは本体のゴスペルグループだな。なんだか、観客の層がその関係者が多いのかなと感じさせたように、このグループは生業としてフラワーアレンジメントや英語(ネイティブと表現するそうだ)の教室を持っていて、そのコマーシャルを中心としたしゃべりがやけに長かったし、田舎で活動するミュージシャンの決まり文句みたいな「ニューヨークにいた頃には・・・」というフレーズはちょっとげんなりしてきた。
ただ、永六輔+いずみたくコンビの名作『見上げてごらん夜の星を』を取り上げたのは大いに評価できる!!
コマーシャルやるなら、この時期稼ぎ時の某ハンバーガー屋と鶏の唐揚げ屋をスポンサーに引き込めば、もっとアメリカナイズされてよかったかも。
 まあ、何はともあれ地元に根付いて(だと思うが)頑張っているという点は一観客としては大いに評価できるものではあった。


 そして、もう一つの地元ネタ。
今日、新聞(もちろん地元のですが)の一面には、
「ツエーゲン JFL昇格」と出ていた。 『ツエーゲン金沢』は、地方のサーカーリーグ「北信越リーグ1部」に参加している2006年創設の地元のサッカーチームだが、そもそも、ドイツ語造語のZweigenを金沢弁の「つえーげん!(強いんだ!)」に掛けたチーム名が私には妙に引っかかる。Zweigenはツエーゲンとは読めず、ツヴァイゲンと発音する文字で、ホームページhttp://www.ishikawafc.sv.bigsite.jp/index.htmlでは
<ドイツ語で「2」を意味する“Zwei(ツヴァイ)”と「進む」を意味する“Gehen(ゲーン)”から、『チームとサポーターが共に進んでいく』の意味。>とあるが、Zweigは「枝」の意味で、zweigenという動詞になると「枝分かれする。分裂する」という意味になるのだが、誰も気がつかないのだろうか?これも誰かが教えたネイティブってヤツかな。
 まあ、これもともあれ、地元の活性化のために市民の多くの寄付で活動しているチームが、その活躍の場を広げて、何よりもチームのメンバーのやる気を起こさせてくれた嬉しい知らせではある。金沢は日本海側の町としては、伝統的にも夜の繁華街の明るさも勝っているのに、しばしば新潟より後れを取っていて、(個人的には全く必要とは考えてないが)新幹線も新潟のいちゃもんで開業時期が延びそうな状況下、ここでしっかり「わしらはつえーげん!」とわめいてほしいものだ。