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2010年9月2日木曜日

忘れないうちに・・・その3 百名山NO.83『会津駒ヶ岳』

 8月29日、前日の帝釈山登山下山中に遭遇した土砂降りで、着ているものは全部びっしょり。民宿の洗濯機を借りて、どうにか生乾きの感がある服を着て、登山靴に足を通し、いざ、会津駒ヶ岳(2,133m)へ。
宿のオヤジさんによると、昨日雷雨の中ヘリコプターの救難活動があり、駒ヶ岳のどこかで滑落事故があったらしいとのこと。「そんな事故が起こるような場所は全くないのだがな・・・・」と彼は頭をひねっていたが、その言葉通り、天気も回復し、時折秋を思わせる風の吹く中、快適な登山になった。
登り2時間位で「駒の小屋」にたどり着き、頂上付近の広がりが小屋の横の「駒の大池」の水面に映っていた。ちなみに小屋のある一帯は頂上より標高にして100m弱低い湿原で、季節的には盛りは過ぎたもののいくつかの高山植物が花を咲かせていたが、残念ながら何という花なのか・・・・
小屋から木道を通り頂上にたどり着くと、雲の間からかすかに尾瀬の名山「燧ヶ岳」が見えていた。
 下山途中、行程のほぼ半分ほどの場所に冷たくて美味しい水の流れ出る水場があり、そこでしばし涼を取る。涼しさと旨い水を求めてやってくるのは人間様だけではなく、蝶が一匹私にまとわりついて離れなかった。もしかしたら、こいつは誰かの化身かな?などと思わせるくらい私の周りから離れようとはしなかった。汗の中の塩分でも吸いに来たのかな?

2010年9月1日水曜日

忘れないうちに・・・その2  『帝釈山~田代湿原』

 今回は百名山の一つ『会津駒ヶ岳』に登ろうと福島に向かう。
連休の一日目で片付けて、後は温泉でのんびりしようと東京を8月28日早朝出発したものの、事故渋滞とかで、東北自動車道は渋滞。
 予定より2時間以上も遅れて尾瀬の北側に位置する登山口の麓の村「檜枝岐村(ひのえまたむら)」に到着。この時間から登ると下山してゆっくり温泉に入れないなと思い、行程の短い隠れた名山の『帝釈山』(2,060m)に向かう。
帝釈山から田代湿原は高山植物の宝庫で、人混みの尾瀬ヶ原より落ち着いて自然が満喫できるところだと聞いていたので出掛ける。約2時間で帝釈山の頂上、そこから尾根を伝って湿原の田代山へ。時々小さな池や水の流れる音の聞こえる目の前に広がる湿原とそれを貫く木道。花の多くは枯れていたけど、ひたすら静かなひととき。


 さて、帰ることにして温泉温泉!と歩き出すと、ごろごろと雷鳴と共に稲光の連続。
メガネにワイパーを付けたいくらいの土砂降りになるが、下りは1時間ほどだと思い雨具も付けずに下山すると、しっかりびしょ濡れ。
 その日の民宿のオヤジさん曰く、「あのあたりは落雷で一発だよ。先月も落雷直撃で一人亡くなった」とのこと。

 

忘れないうちに・・・その1 今年も利賀村のSCOT

 もう学校は始業式を終えて9月に入るというのに、遡ること8月21日、毎年恒例の富山県南砺市利賀で開催される国際演劇祭に出掛けてきた。
演出家鈴木忠志率いる多国籍劇団SCOT(Suzuki Company of Toga)がこの地に拠点を移して35年になるといい、その歴史の中で、日本国内より世界の注目がこの小さな山村に注がれていると言うことを毎年思わせてくれる。
 約2週間、新人研修に近い舞台から、世界各国の利賀で舞台をすることを一つの夢にしてきた劇団がいくつかの会場を使い公演するのだが、知っている人は毎年屋外劇場で開催される舞台を楽しみにしている。
 今回の屋外ステージの演目は『シラノ・ド・ベルジュラック』
エドモン・ロスタン作の恋愛もの舞台の定番を、鈴木流にアレンジし、日本の明治維新前後の設定に置き換えての演出は過去の鈴木演出を見ている人には、「こうなったか・・・・」と納得いさせる作り。
 この屋外劇の一つの特長は、海外からの観客も多いのだが、地元の、ご近所の観客も相当いて、富山弁があちこちで聞こえる。お目当ては芝居の中に「予算の限界」と鈴木の言う花火の打ち上げがあること、それと舞台終了後に、今回は富山県知事の鏡割りによる樽酒の振る舞いがあること。
 時間にして夜の10時過ぎまで舞台を鑑賞して、一杯やっていく知事がいること自体この演劇祭の地方主体の意味を知らしめるに十分で、一発イベントやれば次の選挙も大丈夫だなどと思っている全国の地方自治体の首長には勉強してもらいたいものだと毎回思う。