どこかで見たことのある名称だなと思ったご同輩は、
おそらく焼酎好きなのではないかな?
かつて皇太子様が「美味しいぞよ」とのたまったおかげで大騒ぎした焼酎「百年の孤独」や「山ねこ」などの焼酎を世に送り出している醸造会社「黒木本店」は尾鈴山の麓にあり、自ら「尾鈴山醸造所」としてボトルのラベルなどに尾鈴山の名称を入れている。
今回の尾鈴山は、九州にある日本百名山、二百名山のうち、ただ一つ登ってない山だっただけに、何時かは登ってやろうとじっと機会を待っていた山。
11月13日、前夜は泊まりの西都市であらかじめ焼酎をしっかり体に補給し、早朝、焼酎臭い息を吐きながらそこからレンタカーで尾鈴山へ向かう。
川沿いの道を進んで、橋のたもとの入山届けのポストのある場所に車を停めて、林道を歩き紅葉が色づく登山口に9:00到着。
いきなりの急な登り道。汗から昨日の焼酎がにじみ出てくるようだ。
何合目何合目とご親切に看板が立っているのだが、
7合目あたりから「えっ、もう1合分歩いて着いたの?」と感じるような感覚になっていて、
これはもしかしたら・・・最初はきっちり距離をはかって看板を立てていたのを、
途中で、ありゃいかん!距離が足らない、このままでは看板が余ってしまう!
と慌てて立てていったのではと思わせてくれた標識。
それにしても、全然人に会わない。
と思っているとニョキッと、人が肌をさらけ出しているような姿のヒメシャラの木が現れてきたりする。
標識と言えば、登山道を示す「赤符」のリボンが「火の用心」と書かれたビニール製で、
統一して大量に作られたモノのようで、木の枝にもくくりつけやすいような形の、なかなかのすぐれもの。
というのも、これまで色んな山に登ってきたが、色といい形といい赤符の統一した規格が無くて、
本当にこれが登山道なの?と迷いそうになるものや、布が色あせて木にひっかかったボロきれなのか、赤符なのかわからないというケースが多いのだ。
早くこれを全国統一規格などを作って、どこの誰が見ても登山道を示すものだというものにしてもらいたいものである。
などと感心しているうちに、頂上に近い「尾鈴神社」の鳥居が見えて、
頂上に到着
あっけないくらい、景色も作りも何もない山頂の看板前に10:30到着
それにしてもこの山、シャクナゲがそこら中にあって、下りは「シャクナゲ千本林」なるところを抜けていく。
下りで出てきた奇妙な看板
片方は山頂、もう一方は駐車場を指している看板。
これが進んで行くうちにいくつも出てきて、一体どこの山頂や駐車場を指しているのかわからなくなってくる。もしかして、これも予算取りだけは先にして、必要以上に作ってしまい、立てるところが無くなってきたので、そこら中に立てているような、考えてみたら登山者に危険を誘導するような怖ろしい看板。
季節も季節だから人がいなくて暗いイメージの山で、リュックサックに焼酎を入れておくのだったと後悔するくらい肌寒く感じてくる。
瀑布群なるものもコースをめぐればあるようだが、滝の水などかぶってこれ以上寒くなりたくはないと寄らずに下山する。
直径20cm以上はあるサルノコシカケ
ついでに、もう一つ焼酎の話。
前日、時間があったので寄ってきた『明るい農村』のブランドで焼酎を造っている霧島醸造所。
3年ぶりに訪れたが、しっかり綺麗に改築されていて、商売っ気が一杯。
なかなかやるやんか!と勢いに乗って、『明るい農村』と焼き芋がベースの『農家の嫁』を買ってしまった。
どこでも「元気」が一番で、それを夢にするこの酒蔵はエラい!