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2013年4月2日火曜日

南京 桜の散歩道

 「南京」と聞くと、多くの日本人が「南京大虐殺」が思い浮かぶようで、そんなところへ行って襲われないのか?とよく言われるが、うちの会社の中国での一番の取引先が南京にあり、ずいぶん前から仕事では訪れているけど、まだ襲われたことはない。
 
 今回は朝早くに上海駅に行き、これまたちょっと前なら「そんな危ないものに乗って大丈夫か?」と聞かれる中国の新幹線『和階号』(車内放送では「ハーモニー」と英訳されていた)
どう見ても日本の新幹線のパチ物か「お古」と言った雰囲気。
 


長年付き合ってきたものの、日本の製造業の中国離れと同時に、あまり儲けの多くない日本市場での取引より、中国国内需要のカバーの方で充分利益があるという風潮や、その現実的な戦略を進める中国企業が増えているように見受けられる。
 
 今回訪問した会社も10年以上の取引関係にあるが、南京の駅にお迎えに来たのは担当者のお姉さんだけ。加えて、マニュアル通りに会社の玄関受付横の掲示板にはお迎えの言葉があるだけで、迎えに出てくる人もいない。まあ、こんなものかと改めて感じる。
お互いそれほど魅力を感じなくなった会社同士の商談はあっさりと終わり、初めて観光らしいことができるかなと、日本で買い込んだ一冊の本を取り出した。
『中国 詩心を旅する』著者は元首相の細川護煕氏
この本の中にはかつての都だった南京の寺院や古刹がたくさん収められており、杜牧(とぼく)という詩人の歌とともに紹介されていた鶏鳴寺のページを開き、お姉さんに「ここ行きたいが知っているか」と聞くと、「聞いたことはあるが行ったことはない」との回答。
まあ、東京に住んでいて浅草寺に行ったことがない、金沢に住んでいて大乗寺に行ったことがない、という若者と同じ感覚だろう。
文化人らしいなかなか良い感じで細川元首相は写真に収まっている。

それなりの観光スポットのようで、寺の正門に続く道は桜並木は、「あら、中国人にも桜がきれいだという気持ちがあったのか?」と驚くくらい人々がほぼ満開の桜の風景を撮していた。
黄色い壁が特徴的な大きな寺で、大きな塔を中心にいくつものお堂があり、色んな仏や神様が鎮座しているゴテゴテギラギラの世界。


しばし石畳を歩いていると、おっ!この風景はあの細川元首相の映っていたシーンではないか!
ポーズを取ってみるが全く様になってない(笑)ただの腹の出たオヤジだ。
 

同行の通訳の方に、こちらの像が私に似ていて、ここで写真を撮った方が良いと薦められた。
その通りである!

ついでに近所にあるという以前から上海の展示会に何度も足を運んでくれている方のお店に伺う。
日本語の上手な彼女が言うには、南京で本物の日本の鉄瓶や火鉢、五徳をおいてあるのはここだけだとのこと。

そんな本物志向の中国人と、詩心をわかってくれる中国人が増えてくれることを願っている。

2013年4月1日月曜日

京都一周トレイル ~東山コース その1

 数えてみると25年くらいの長きにわたり、春は必ず間違えることなく花粉症の季節がやってくるのだが、ここ数年は無駄な抵抗は必要以上にせず、自然に忘れた頃に効いてくる漢方薬以外は飲まず、はな垂れっぱなしにしてる。
 
 
 反対にこれだけ長い間付き合ってきても、体に抵抗力が付かない自分にあきれかえっていると同時に、下手に色んな薬を処方するので体がそれに甘えているのではないかと、花粉を感じたら逆療法で森に山にと出かけ、体を慣らすことにしている。

 そんな春のハイキングには、京都の盆地を囲んでいるトレイルコースを、史跡なども途中に立ち寄りながら、山登りシーズンの準備運動にと歩くのが手頃だと感じ、京都駅の観光案内所で「京都一周トレイル 東山」の地図(500円也)を買って出かける。
 京都の町を囲むトレイルコースは「西山コース」「北山西部コース」「北山東部コース」そして「東山コース」の4つがあり、東山コースは南は伏見稲荷から北は比叡山ケーブル駅まで全長24.6km。
今回はそのうちの3分の1をゆっくり歩く。
 
 

 電車でたどり着いた京都駅から一番近い登口をとJRの線路に平行に鴨川の方に向かう。
静かな住宅地の市営住宅の横にこんな石柱と案内板「平清盛終焉推定地」とある。
「推定地」というのが苦労の跡が見えるようで、大河ドラマに合わせて慌てて作ったものの、あのドラマと同じで、いまいち目立たず存在している感じだ。

線路をくぐって、塩小路通りに出て、塩小路橋を渡る。

橋のたもとの近くの小さな和菓子屋さんで「キンカン餅」なるものに惹かれ購入。

ちょっと寂れた商店街に営業しているのかわからないが成人映画の看板の立つ映画館があった。
ちなみに2階が映画館で1階はデイサービス。

しばらくすると、大きな門、三十三間堂の南大門が見え通り過ぎる。こちら側から見るのは初めてだな。
なんだか、トレイルのコースに着く前に、写真を撮る時間が長くなりそうだ。

東大路通りに出て、またJRの線路をくぐり、現れたのが「新熊野神社」
熊野古道はここから!などとうたい文句があった。

路地を曲がり緩い登傾斜から「剣神社」へ。紅白の梅が満開。

ようやく、トレイルコースの標識が現れ

道は山に向かっていく

森を一つ抜けると国道1号線
清水寺方面に上る階段

結構険しい山道なども出てきて
清水寺の裏山「清水山(242.5m)」頂上

しばらく進むと視界が開け「東山山頂公園」大文字山とその後ろに比叡山もかすかに見える。
ここで日差しの元のランチタイム。

展望台からは黄砂のせいだろうか、霞んだ京都の町を望む。

のんびり昼寝混じりのランチを取っていると時間が無くなってきた。
知恩院の裏から大鐘楼へ


観光客が行き交う神宮道をそそくさと進むと、青蓮院門跡の大きな楠が見えてきて、
息をのみしばし見上げる。

三条通に出て、栗田神社の前を通り抜け、蹴上の交差点。

中の煉瓦が螺旋状に積み上げられているので名付けられた「ねじりマンポ」のトンネル。
ここにもしっかりと京都一周トレイルの標識がある。

インクラインの線路を渡り、浄水場の横の日向大神宮への橋

日向大神宮の参道はひんやりと森が続き、登っていくとこんな標識。
ここから伊勢神宮が見えるのか?遙かに拝む場所だと言うが・・・・

結構きつい坂を登っていくと「七福思案処」
七つの幸福に関して思案を巡らすのだろうか・・・・森の寒さがしみてきて思案の余裕がない。
今日はこの辺で切り上げよう!と一気に南禅寺に下る。

温かな豆腐料理でも食したかったが、時間切れで地下鉄の蹴上駅まで戻る。
花粉症のはな垂れは絶好調!