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2010年7月5日月曜日

水源の山小屋 百名山No.81「甲武信岳」

 6月25日。早朝、東京を出発したときには、すでに雨がぽつりと来ていたが、登山口から徐々に雨はその量を増やしていった今回の登山。甲武信岳という名前自体「甲州」「武州」「信州」の三つの国の境界にあることから付けられた名前のようだが、埼玉から東京へ流れる荒川の源流と長野の千曲川と山梨の笛吹川が信濃川になっていくその源流もこの山にあるという、水源の重要な場所である。
北側の登山口「毛木平」から千曲川源流遊歩道を進むと、水源の山だけあり、登山道の3分の1くらいは水の音が聞こえていて、雨のせいもあってか苔むす森の風景がしっとりとやさしく感じられた。とは言え、晴れたら富士山や八ヶ岳、南アルプスも来たアルプスも見渡せるはずの頂上もその標識以外何も見えない状態で、改めて天気が山登りの一番の要因と感じる。
 その疲れただけの印象の4時間半の登りを吹き飛ばしてくれたのが、今回の山小屋「甲武信小屋」。小屋にたどり着いたときには、今時めずらしいつぎはぎだらけの古い建物で、大丈夫なのかなと心配したが、それがじわじわと味わいある山小屋に感じてきた。
 この小屋をこの日は一人で守っていた「爪(ヅメ)ちゃん」が、以前に聞いてその演奏に感動したという宿泊客の一人からのリクエストに答えてギターの演奏を披露してくれたのは、嬉しいハプニングで、癒し系というかニューエイジ系というか、その演奏は失礼ながらその風貌からはちょっと想像しにくい感じだが、聞き入っていた客の多くから「今後頃で山小屋やってないで、下で音楽活動やったらいい」と言われていたくらい。その夜は、狭い山小屋の寝床もちょっと幸せな気分になった。
翌日下りは三方山から十文字峠経由で、もう少し早かったらアズマシャクナゲの花が満開だった
とのことだが、少しだけ残った鮮やかな花を見ることができた。

帰り道、増富ラジウム鉱泉も『増富の湯』に寄り、ぬるいと言うより冷たく感じるラジウム温泉源泉に静かに浸かってきた。

2010年7月4日日曜日

ドイツ・オーストリア紀行 その7 〆の一杯

 何だか雨降り続きで全く消化不良の今回の旅、最後ぐらいはしっかり旨いものを食べて終わろうと、ミュンヘンでレンタカーを返して、同じバイエルン州でも州都のミュンヘンから北へ300km、電車で移動する。
 そして、世界遺産の王宮のある「Wuerzburgヴルツブルグ」を今回の最後の滞在地にする。
その王宮の広い庭園を散歩し

街中のちょっとしゃれたワインレストランでもうそろそろ季節的に佳境に入っているアスパラの料理を地元のフランケンワインと食する。

この町は、昨年の旅行の時、初日にレンタカーが火を噴いて故障した因縁の場所だが、改めて歩いてみると、なかなかいい雰囲気の町だ。
マイン川に掛かる古い橋と町の中心部にあるマリエン教会。教会の前にはバイエルン独特の飾りを付けたMai baumマイバウム。



 駅のちょっと不思議な風景。気がつかなければ気がつかないことだが、駅のホームにはだいたいどこへ行っても、ホームに時計が二つ並んで付いている。一つで十分じゃないか?と思うものの、どこからでも見えるようにという配慮なのだろうか?
それとこの時計、赤い輪の付いた秒針がゆっくり盤を回るのだが、「12」つまりてっぺんに来ると一瞬動きを止める。そして、その秒針が止まっている間に「カッチン」という感じで、分針が一目盛りだけ移動する。これは果たしてドイツ人気質なのだろうか?

ドイツ・オーストリア紀行 その6 やけくそ日本人観光客

 6月16日。雨は粉糠雨降る御堂筋状態で、インスブルックからドイツへ抜ける途中に、ふと思い立って、去年ドイツ側から登ろうとしたドイツで一番高い山「Zugspitzeツークスピッツ」をオーストリア側から登ろうと麓の町「Obermoosオーバームース」に向かうが、ロープーウエイ駅の「今日の頂上の気温3℃」の表示を見て、すごすごと退散。
 もうこうなれば、日本人観光客に徹するとするか、とドイツ旅行というと誰もがイメージする「Neuschwansteinノイシュバンシュタイン城」に立ち寄る。案の定、日本人団体観光客がわんさかで、「吉田さ~ん、こっちやで!ドイツはやっぱビールやがな!」という感じの関西おばちゃんご一行様なども雨の中、城のある頂上行きのバス停に並んでいたりする。こちらは混雑を避けるため、のんびり裏通りみたいな遊歩道を歩いて、城の一番きれいに見えるところへ行こうとすると、景色の前を日本人の団体が「ここが一番景色がいいのよ!」と割り込んでくる。
 ドイツ人らしき男性と、見るからに知ったかぶり風日本人おねーちゃんのカップルがいて、言葉がわからないと思っているのか目の前でそのドイツ人、私をあごで指して「ここにも日本人が一人いるぞ」と言うと、そのおねーちゃん「あれは日本人ちゃうねんばってんどす!」という感じの明らかに間違った文法のドイツ語で私を斜め目で見て立ち去っていった。
 日本人女性は日本国内で売れ残ったら、日本人女性と言うだけで一種のブランド化していてちやほやされる海外へ行けと言うのは、私の持論だが、こんなゆがんだ女性がえらそうに日本を語るのかと思うと困ったものだ。もっとも、くっついている男性は同レベルになるだろうから、それほど影響ないか・・・
 ついでに、そんな観光客にもわかるちょっとした道路標識。これ、合成ではありません、ドイツの写真ですよ。


ドイツ・オーストリア紀行 その5 今日もまた雨

 6月15日、キャベツばかり囓っていたくなるような(極めて古い表現だな・・・)雨続きのチロルは、そろそろあきらめムードになり、雨の間に間に時折見える山々の風景を楽しむか、どこか落ち着いた町でビール片手に雨を眺めるか・・・どちらかになってくる。
とりあえず、当初から行こうと計画していたインスブルックの南に広がるシュチューバーアルペンの拠点の町「Neustiftノイシュティフト」に向かい、背後にそびえる山々の姿を眺める。
街角の風景でちょっと面白かったもの。全日宿泊の「Kitzbuehelキッツビュール」では町の丘の上にある小さな城跡みたいなホテルに宿泊したが、町に抜ける小道には墓地が連なり、その墓地の入り口にあったのが、ろうそくセットの自動販売機。風よけを兼ねた赤いカバー付きのろうそく。

こちらは、インスブルックの街中のチロル民族芸術博物館の写真。「あっ、痛っ!」とタイトルのあり、歯科系の昔の道具類の特別展が開催されていて、長い舌の形のモニュメントが印象的。