私にとって、ひたすら静かでほっとできる風景の中でも一、二位に挙げられる場所が、滋賀県北部にある「余呉湖」の湖畔からの風景。写真は春先の余呉湖の風景だが、真夏の今日訪ねてもほとんど変わらない風景で、湖畔に釣り糸をたれる人たちがちらほら見られる程度。
何度か来ているこの景色の中で、湖の奥、写真では雪を拝したスッキリした双耳峰の山が、以前から気になっていた。
ということで、今日は反対側からの風景を見てみようとこの双耳峰『横山岳(1,131m)』に登って来た。
この山にはいくつかの登山道があるが、この暑い日が続く天候では、少しでも水の近くを歩きたいと滝がいくつかあるコースの白谷コースを登る。
登山口で近所の人だと思われるおじさんが寄ってきて、このコースを薦めてくれたこともあり、楽に登れると踏んでいたが、これがちょっとしたくせ者で、なにせ近所の人は何度も登っていて庭みたいなものだろうが、初めて来た者にとって、登山道の印である赤符が全然無い、その上、小川を何度も渡るので踏み後もなかなか見分けがつかない状況のコースはワイルドだと言えばワイルドだが、ちょっと戸惑う。
それでも、登っている人は他にもいて「五銚子の滝」で記念写真を撮る高齢者女性団体、いわゆる「登山よりおしゃべりおばちゃん団体」に出会い、滝に近付くとそれなりの涼風を味わえた。
滝からも小川からも離れてからが、これがまたなかなか大変で、ロープの急坂を汗だくになって登る。頂上は何でもない広場で三角点があるきり、そこからの下山道各コースの表示もどこを指しているのかよくわからない状況。
どうにか尾根道を探し出し、双耳峰の片方「東峰」に向かうと、それなりに周りの尾景色が望めるようになり、見たかった反対側からの眺め、横山岳から余呉湖とその後ろに大きく広がる琵琶湖が見えた。
ブナの林を抜けて、ひたすら下山すると、林道に出て、そのすぐ近くにある「夜這いの水」で渇いた喉を潤した。何でこの名前がついたのか知りたい気持ちはあったが、山から這って出てきたからこれで正解かなと納得して林道を登山口まで歩く。
途中、道路に溜まった水たまりにひらひらと蝶の姿が見え、写真に撮る。どうも、ムラサキアゲハのようだ。
立派な登山用の地図も作っているくらいだから、登山道そのものの標識灯の整備をしてもらいたいと思った次第。あのおばちゃん団体は日暮れまでに下山できたのかな?