2012年10月29日月曜日
紅葉を愛でるのんびり登山 『銀杏峰』(げなんぼ)1441m
10月27日、当初は紅葉を観に行くならここに限る!と決めていた福井県大野市にある『苅込池』に行く予定だった。数年前、真っ盛りの時期に池の水面に映る紅葉の色とりどりの風景に感動して、しかも人もまばらで、静けさがしっかり体を包んでくれたのを覚えていた。
ところが今回は様子が一変していた。前夜たまたま観たNHKの全国ニュースで、「紅葉のすばらしい、福井県大野の苅込湖」と紹介され、ちょっといや~な予感がしていたが、見事に的中!それだけが理由ではないだろうが、池に向かうための駐車場手前数キロから大渋滞。
理由には、春先から土砂崩れの復旧作業のため、林道は閉鎖され、池に一番近い駐車場までは行けず、その手前の鳩ヶ湯温泉の小さな駐車場から迂回の山道を歩かなければならないということもあるようだが、これまたえらく時間の掛かる復旧作業である。
工事現場の係員か駐車場のにわか整理担当だかわからないが、全く前に進まなくなった車に「そうだね、ここからだと駐車場まで2時間かかるんじゃないかな」とあっさりとのたまっていた。
ということで、細い道で前も後ろも進めなくなる前に退散!
ガソリンスタンドでもらった「大野ガイドブック」を広げると、前から気になっていた山の名前が出てきた。誰がどう呼んだのか『銀杏峰』で「げなんぼ」
ナビによるとその登山口まで20kmくらい、ひっそりとした宝慶寺いこいのもりキャンプ場を抜けて、林道が砂利道になった頃に登山道に着く。
駐車スペースには先客さんの車がたった2台。
今にも崩れて倒れそうな鳥居がこのコースの登山口
回りの紅葉が静かに体を色づかせてくれるような雰囲気の登山道は、一度林道を横切り、標高850mの立て看板。「鉱山跡石垣」と表示されていて、石垣はどこじゃいな?と脇道を進むと、それらしいところが。でも、いったい何の鉱山なのかがわからない。
登るにつれ、だんだんと足下に木の実が落ちてたまっているところが次々と現れる。
そんな登山道がなだらかに続いていく。
ブナの木だと言っても、残念ながら落ちている実はいわゆるナラ系のドングリばかりで、トゲトゲの甲羅に身を包んだブナの実は一つとして見あたらない。
紅葉のトンネル
振り向くと隣の山は一面色とりどりの紅葉。その向こうに大野の町が見える。
「この先急登です」の表示があり、一汗かいて登り切ると、はっきりと間違った表示、「海抜約1300m」だからその約の中に含まれるのかな?の標高1400m地点。
尾根が平になってきて「極楽平」の平地から頂上の小高い山に向かう。
頂上の祠に到着。回りは高さの同じような山が360度見えているのだが、
かすんでいて白山までは確認できなかった。
風がすこぶる冷たく感じる。
登山口から約1時間半、出会った登山者は全部で6人。
全員元気そうなおじいさんおばあさん。
のんびり、それこそ愛でるという言葉をかみしめて登る山のようだ。
春は片栗の花が登山道のそこここに群生しているとのことで、
秋のドングリと落ち葉を踏みしめての時間とはまた別の味わいがあるのだろうと感じる。
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