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2012年6月17日日曜日

全然乾いてない二百名山NO.40『乾徳山(けんとくさん)』2031m


「雨の中で富士山なんて望めるわけ無いだろ!」シリーズ第2弾。
天気予報では、朝のうちの雨も次第にあがり・・・と言っていたので期待を込めて、前夜の宿三富温泉を早朝に出発。
三富小学校裏の道を進み、太平荘と太平牧場が朝靄の中出現。それをさらに進むと、なぜだかベンチのある駐車スペースが出てくる。

横浜ナンバーの軽トラックが一台停まっていて、今日は登山中に誰かに出会えるかとちょっと安心する。というのも前日のこのシリーズの山『御正体山』では全く誰にも会わず、二百名山の過剰気味な「通」ぶりを肌寒く感じていた。(野球のオリックスの試合を人のいない外野席で見ているような感じ)

7:15出発。今日は標高差600mくらい。
この山は、登山口からいきなり鬱そうとした森でそれだけでもちょっとホッとする。
森を抜けて広々とした原っぱに出るとそこにある月光岩。



その後ろに広がる、扇平。
本来はそのバックに乾徳山の姿が見えるはずだがそれも雨で見えない。


扇平からまた森に潜り込み、足下に岩が多くなってくる。
ひときは大きな岩、その名も「剃刀岩」岩の割れ目から差し込む光が剃刀を思わせる。

だんだん回りの岩が大きくなり、つるつる滑る岩場の鎖場とはしご場をいくつかこえ、雨風を受けながら頂上へ。
登山口から約2時間。誰もいない通の山の雰囲気。
下りは登山道に平行して駆け抜ける鹿がしばし立ち止まりこちらの様子をうかがうシーンがあったり、雨がやみ、時折日差しが射してくる頃になると、どこからかヒグラシの鳴き声が聞こえてきた。


正体しれず。二百名山NO.39『御正体山(みしょうたいさん)』1682m

あまりの人混みになかなか登ろうという気にならなかった富士山に、今年は毎年登っている方々に連れて行っていただけることになった。
そもそも、富士山と上高地に出かける人には、新宿の通勤ラッシュで毎日のルートを這い回る人々やTDLの開門を間抜けずらして並ぶ人たちのように、なんでそんなにまでしてそこに密集するの?と聞きたいくらいなのだが、百名山の到達も近くなってくると目をつぶってでも頂上を目指さなくなってきた。
「あんな瓦礫しかない山に・・・なんで・・・」とつぶやきながらも、かつては江戸の町からの富士のある風景がもてはやされたように、遠く回りから見るには申し分ないと私は認めているので、その見て楽しむ富士山のイメージを鎮静剤代わりに持参して、どうにか富士山を登ろうと決めた。

 
 さて、これまで鳳凰山から見る富士の朝焼け、北岳からくっきり浮き上がる富士のシルエットなど、いくつかの美しいその姿は見てきたものの、もう少したくさん見ておこうと今回は山梨側からの近い位置での富士山をと出かけたのだが、さすがに雨が降ってはどうにもならない。

 
朝、東京を出るときから肌寒い一日、中央高速で山梨方面に向かうときには雨も激しくなって、今日はやめようかとさえ思ったが、割り切って雨の登山のトレーニングの気持ちで、都留インターから山に向かって走る。ちなみにこの都留という場所、大月と勝沼の間にあるとずっと思い込んでいて、あれ?いつ通過したっけ?もう一度確認しようと、二度勝沼インターから引き返した。都留は富士五湖に向かうルートにあるんですね・・・・はじめて知った。

 
もたもたしているうちに登山口にたどり着いたのが午前10時過ぎ、雨は小降りになってきたものの「ええい!ここまで来たら登るしかない!」と泥まみれ覚悟で標高差約800mの登山道を進む。
この有無を言わせないようなゲートの向こうにコンクリート舗装した林道がず~っと続き、高度計で測ってみたらほぼ標高200m分林道。学生時代の強化合宿を思い出してしまった。
ようやく林道に沿って続く登山道を歩くも、横にコンクリートの道がずっと見えていると、山を登っている気がしなくなり、時折、工事のために登山道が変更になりますという看板。


それでも、行程の半分くらいすぎて、広葉樹の林が雨に濡れて何ともいえない厳かさに似た静けさをたたえてくる。

そこに現れたのが「峰神社」という小さなお社。かつてはここに大きな社があったようだ。
登山口から2時間15分、その間雨はやむことはなく、富士山どころか周りの山も見えない状態。
とりあえず頂上に到着。
頂上の赤い屋根のお社には、都留市観光協会のお札が納められていたが、開けっ放しで寒そうだった。
下りは雨に光る森の緑をたっぷり見て、時折、あちこちに鮮やかな巣箱が掛れれているが、鳥の姿は全くなく、こんな色の箱を寝床にする鳥がいるのだろうかと感じた。

下りは1時間45分で登山口のゲートに到着。
よくわからない正体のわからない御正体。