これまで訪れたアジアの国々の街では、朝、公園を散歩していると人の流れに気がつく。
流れに沿って歩いてくる人々は、だいたいが手にビニール袋を下げ、野菜や饅頭や時には鳥の足などがのぞいていたりする。
その流れを遡っていくと、だいたいそこには早朝から人でごった返す庶民の市場がある。中山公園の人の源流は、こんな古い町並みがまだあったのかと思わせる狭い路地で、八百屋には緑の野菜達、魚屋で捌かれる魚たち、穀物は色とりどりに並べられ、大小様々な卵、生きた鳥たちはカゴから首を出す。饅頭屋の蒸気、揚げパン屋の油の匂いが漂い、所狭しと人々は交錯し、売り声、交渉の声、道を空けろとわめく声・・・・・
朝早くから「食べること」そのものにみなぎるものを感じてしまう。
豆類の並ぶ穀物屋でそら豆があったが、表示には「日本豆」とあった。
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