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2010年3月22日月曜日

春待ちの知床

 知床の山では、かつて『羅臼岳(1661m)』に夏に登ったものの、世界遺産登録の影響で観光客がわんさかいる状態で長居はしたくなかったので、それ以上踏み込んで知床を見ようとはしなかった。今回は網走にある大学に在籍していた娘の卒業式もあり、冬の季節ならばとウトロ温泉に浸かりに行くことをメインに知床に出かけた。
 前日の強風時折吹雪の天気から一転し、快晴の中、ウトロのまったりとしたお湯の余韻を抱えて、これより先は積雪のため道路閉鎖という「知床自然センター」へ到着、そこからスノーシューを履いて片道30分ほどの遊歩道を『フレペの滝』を目指して歩く。
 灯台をバックにエゾシカの群れが見えだして、遊歩道のコース関係なくシカの群れに近づいていくが、彼らは人間になれているのか全く驚く様子もなく、といって奈良の鹿みたいに「エサをよこせ!無いなら買ってこい!」という感じの凶暴さはなくて、穏やかに、というより雪解けの中わずかに顔を出した草の芽を必死に掘り起こして食べている様子。














 ふっ、と振り返ると真っ白な雪山が大画面で連なっていた!右一番手前の羅臼岳から『三ツ峰』『サルイシ岳』『オッカバケ岳』『知円別岳』『硫黄山』と連なる姿は感動と共に「こりゃ、いつかこの山々は縦走しなくては!」と熱いものがわいてきたりした。

 













帰り道、芽が出たばかりの葉っぱでは空腹はそれほど満たされないのか、大きな角を持った雄の鹿が近くをふらつくように歩いてきて、「ここにも鹿せんべい置いてくれよ~」と言いたそうな顔で、自然センターの建物の方に歩いていった。














 自然センターのお姉さんに聞くと、夏場、羅臼岳から硫黄山までの縦走は多少迷うかもしれないが、テントを抱えていけば2泊3日で行けるとのことだが、気をつけなくてはいけないのは、なんと言っても熊の出現だとのこと。ついでに硫黄山の先の知床半島の突端にある知床岳までは、全く登山道というものが無く、熊との格闘も覚悟で、詳しい地形図を持っていけばたどり着けないことはないが難しいとのこと。
 かつて、北方領土元島民墓参団のオマケとして付いていった私は、国後島沖から知床岬を震えるような感動を持って見たが、その反対の風景が見てみたいという思いはどこかにある。「しれ~とこ~のみさ~きは・・・」といつかは唸ってみたいものだ。などと考えていると目の前の海岸をオジロワシらしき大きな鳥が横切っていった。

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