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2011年8月16日火曜日

百花繚乱 夏の霊峰白山

 8月6日
 普段からツアーと称する団体行動が苦手で、こと登山となるとひとりが楽しみたいのに何でこんな烏合の衆の中にいなくてはならないんだ!と喚くところだが、今回の白山登山は全国から友人・知人達が「まだ白山に登ったことがない。ぜひ連れて行って欲しい!」と集まってくれたので、保険もしっかり入れる初心者向きのコース設定で、地元白山のローカル雑誌『山女(やまめ)』のツアーに参加してみた。
 そもそも、ひたすら自分のペースで山は登りたいもので、グループだととかく前後を歩く人間を気にして調子が狂ってしまうものだが、今回は参加者総勢40人近くで、それも半分ずつ観光新道登りコースと砂防新道登りコースにわかれ、その上自分とリズムの合う人と勝手に登って下さい、途中何度か休憩中に点呼を取ります、という楽なものだっただけにどうにかついて行けた。
 それと去年登った時に私たち県民の水の源であり、すなわち命の源である白山に感謝の気持ちで、年に一度は登ろうと決めただけに、機会があればいつでも!という気持ちが強かったようだ。

 前日、白峰温泉の旅館に集結した知人・友人は4名。遠くは北海道帯広、奈良・生駒、名古屋、岐阜・美濃加茂からで、うち2人はほとんど登山初心者。
 別当出合から観光新道登りコースを進むと、途中で霧が登って来て、やがて雨が降りだし、しばらく濡れながら、馬の背あたりでは「もうダメ・・・」とへたり言葉を吐く者もいたが、おおむね順調に進み、昼食休憩の「殿が池避難小屋」で息を整える。



 このあたりから、20数種類あるという「ハクサン・・・」の名の付く高山植物や多くの花々がそこここに見えてくる。ついでにどでかいナメクジもいた。
 蛇塚~黒ボコ岩と進み室堂センターに到着したのは、出発してほぼ5時間の午後1時半。


 さて、団体様ご一行の宴会が3時から始まるというので、それまでに見ておきたいものがあった。
それは我が石川県の花で、まだ一度もお目に掛かったことのない『クロユリ』
前の週に登った山岳会のメンバーから「室堂の鳥居を抜けて左に回ったところに群生していた」との情報を得ていたので、早速そちらに向かう。丁度、白山自然保護会(だったかな?)の方々のボランティア自然観察会が始まっていて、その解説を小耳にはさみながら目的地に進む。
 あった!ありましたがな!いやいや、予想していたより小さくてよく見ないと群生しているとはわからない、ひたすら目立たない花で、石川県民の奥ゆかしさそのものではないか!と感動してしまった。その他諸々、コバイケイソウからコイワカガミなど色んな花がありすぎてどれに目をやっていいのかわからないくらいで、白山が人気のあることがよくわかった。





 翌8月7日早朝、ご来光を頂上で見ようと、まだ暗闇の中、ヘッドライトの列が頂上までの40分くらいの距離を線になって続いていた。
多くの人が見守る中で闇はだんだん薄くなっていきご来光の登場。

 今回の団体の登山会のもう一つの目的が、その仲間で去年若くしてこの世を去った青年の供養にと、彼の生前の「死んだら骨の一部は白山の頂上の標石の下に埋めて欲しい」という願いを叶えるため。さて、ここまで連れてきてやったぞと骨を埋めようと石をずらすと、そこにはすでに他の骨があったとのこと。それほどこの白山は愛されていたと言うことがわかる逸話になった。
 加えて言うと、このご来光を見守る多くの人々の目の前に一つの飛行機雲が大きく上昇して、龍が登るがごとくその後を描いていった。死んだあいつがみんながきてくれて喜んで空高く登って行ったんだと口々に話していた。
合掌。

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