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2009年9月23日水曜日

剱岳登山~点の記の余韻~ その1

 去年は槍ヶ岳、今年は春先から登山のメインとして決めていた剱岳(標高2999m)。心配だったのは映画の影響で例年以上の登山客でごった返すのではないだろうかと言うことだったが、案の定登山口の馬場島は駐車場も満杯で道路脇に車を停めることになった。それでも、21日朝7時に登山口を出発しても、それほど行き交う人もなく、静かに、この日本で一番標高差の大きいという登山道を進む。ちなみにこの早月尾根ルートは標高750mの馬場島登山口から剱岳頂上まで2249mの標高差。出発から2時間弱、1300mを過ぎたあたりで同行のベテランの山岳会仲間が遅れはじめ、素人集団が前を進むことになったが、お昼少し前に今日の目的地「早月小屋」(2200m)に到着。あれっ?まだお昼だよね?ここに泊まるんだよね?とスケジュールを確認していると、ここから頂上まで残り800mを午前中で往復してきたらしい中高年団体が降りてきて、「いい天気で最高だった!」としきりに喜んでいる。さっさと昼飯食べて天気のいいうちに私らも行こうか、と相談していたが、これが団体行動のつらいところでなぜか3時間の時間差のある計画書通り夕飯を待つことになった。この「早月小屋」別名伝蔵小屋といって、伝蔵さんという方が作ったようだが、数年前に改築したそうだ。でも、どうみても山を知っている人間が建てた代物には見えず、ただ、下界にある簡易住宅を持ってきたような感じで、パンフレットを見ると「連絡先:**組」と書いてあった。土建屋が経営してるのか、多角経営の方向は大丈夫なのかなと心配しながら、シーズン柄覚悟はしていたものの、6畳の部屋でぼんやり時間を過ごしていたら次々人が増えていって、結局12名でこの部屋を使うことになった。どうやって寝たか、6畳を12名だから一人あたり半畳(繁盛じゃないよ)足を真ん中にして6人ずつ両脇になり、足は向こう側に人の足に何度もぶつかるし、寝返りも慎重にしないといけない・・・・ここまでの狭さは初めての経験だが、満員で大変な夜になるなと思いながら登った山も多いので私たちは我慢は出来たが、最近の登山ブームの影響か、山小屋は客をもてなす宿泊施設だと思っている人も結構いるようで、消灯から2時間ほど経った10時過ぎに、『もう我慢できない・・・』とかつぶやいて、管理人室に駆け込んだ人物がいたようで、寝静まった中にひとしきり口論の言葉が低く響き、『てめえ、何考えてんだ?こっちは商売でやってんじゃないんだ!必然性からやってんだよ!』と怒鳴る声が響く。思わず、『ほ~っ、必然性か。それにしても怒鳴り方は職業が役に立ってるな』などと暗闇の中でうなずいたのは私だけじゃなかったのではないだろうか?それにしても、その『必然性』とは、パンフレットとは違う宿泊料金が受付横の料金表に急作りで貼った料金になり、早朝出発する登山客を考えるとまず設定しない6時半から朝食を出し、雨水利用だと聞いていたので、大変な苦労をして飲み水を確保しているんだなと思って行くと、2リットルのペットボトルの水を市価の10倍くらいの料金で売ることを指しているのだろうか?部屋には濡れたものを掛ける釘一つ無い、トイレの掃除は中途半端・・・・などなど、もっと山のことを勉強して、真摯に努力を重ねて、登山客の安全を預かる『必然性』を強調してもらいたいものだと感じた。

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