出張先はよっぽどのことがない限りホテル泊になり、小さいバスタブにお湯を張る時間があればまだお情け程度でも「お湯」に浸かることが出来るが、大体は面倒になってシャワーで済ませる事が多い。その上、中国で私のこれまでの経験では、お風呂の蛇口からは、どこぞその辺のどぶ川から引いているのかと思わせるほのかな異臭の漂うお湯が出てきて、そんな中で浸かる気分には全くなれない。中国でも上海や大きな都市には日本式の温泉センターもどきが最近沢山出来てきているが、そんなところでもまっさらなお湯はいくぶん茶色に濁ったお湯で、入浴剤のタップル入った浴槽に入ってしまうし、それもどんな薬剤が入っているかわかったものじゃないので、ひとしきり体にお湯を付けたら出てきてしまう。
さて、今回、金沢に戻って入ったのは、市内にいくつかある古くから温泉付き銭湯として営業しているお風呂の一つで、今回初めての「石引温泉」、兼六園の奥に続く小立野台地の中腹にあるこのお風呂には、サウナやぬるめの源泉の露天風呂があると聞いていたので行ってみた。
日曜のお昼過ぎだから空いているだろうと行くと、案の定、ご老体の客がちらほら、エレベーターで3階に上り、番台へ。牛乳石鹸の男風呂暖簾をくぐると、なかなかノスタルジックな脱衣所の箱が並ぶ。鍵はどの箱も壊れて付いていなくて、のんびり感が漂ってくる。服を脱いで早々にガラス戸を引いて湯気の中に入ると、まず目に付くのが黄色い「ケロリン」の風呂桶。風呂イスも桶もきちんと重ねられていて、入浴者のマナーを感じさせる。茶色い色の温泉風呂にゆっくり沈み込み、おきまりの「うぇ~い」のうなり。ぬるめの露天風呂は先客のおじさんが大の字になってお湯の出口を占領していたが、眠くなってきそうな温めのお風呂。ゆっくり浸かって外に出てみて、ガラス戸に張ってある注意書きの文字を見ると、実にほほえましいというか、ストレートな表現だというか・・・・
1 件のコメント:
今は、スーパー銭湯が多い中、昔ながらの銭湯もあるんですね。
黄色いケロリンの風呂桶ですか。。。
懐かしいですね。
ちなみに、関東と関西では風呂桶の大きさも違うみたいです。
関西のほうが大きくて、関東の方が小さいみたいです。
金沢は、どちらなんでしょうか。
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