「国民の立場に立った政治を・・・」などと休日にもかかわらず、言っている意味もわからない騒音をまき散らす宣伝カーが、ちらほら走り出したこの時期、赤をテーマにすると、某政党を支援しているのかと勘違いされるのでは、と思ったが、この就職難の時代に学生運動を引き起こす元気(もしくは余裕)のある学生も、組合運動で徹夜する労働者も少なくなったここ最近の風潮だから、そんな勘違いもないだろうとこのタイトルを付けてみた。
以前、赤がコーポレートカラーの日本の航空会社には、乗らないことにしていると言うと、あの会社は大変なんだから乗ってやれよ、みたいなことを言われたことがあるが、基本的に私は赤という色が生理的に極めて節操のない、それでいて何ら芸もない色だと思っているのであの会社の飛行機のマークの色がオレンジ色くらいになったら乗るかもしれない。
思い起こすと私にもそんな時代があったのだが、保育園の時代だったか、お絵かきの時間があり、「みんな仲良く遊んでいる風景を描きなさい」というようなテーマを与えられ、絵を描くことが好きだった私は、意気揚々と完成した絵を先生の所へ持っていった。他の園児たちもわれ先にと、先生の元に駆け込んできて、みんなの絵が並べられていった。並べられた絵をみんなで見比べ、先生も一つ一つ眺めていた、とその時、一瞬沈黙があり、「これは誰が描いたの?」という質問と共に全員の視線が私に注がれた。などと文章を書いていくと「そんなに詳しくおぼえてるのか?」と突っ込まれそうだが、そうです、実際それなりに脚色してます(笑)
でも、次の園児の誰かの言葉は衝撃に近いものがあった。「なんで、お日様が■黄色いの?」なんで?なんでって・・・・えっ?別に■黄色いから■黄色で描いただけ。
それで他の子供達の絵のお日様を見ると全員クレヨンケースから取り出したままの「あかいろ」を使って塗りたくってあった。反対に私は聞いた「何でお日様が赤いんだ?そんな風に見えるのか?」実は、私には燦燦と輝く太陽の光は白に近く感じていたが、白だと画用紙の色と同じだから見えなくなるし、時々くすんで淡いクリーム色になると思っていたが、残念ながら12色のクレヨンにはそんな色はなく、■黄色を一度塗った上に白を塗って表現していた。ところが衝撃は続いていく「太陽は高い温度で燃えて光を出しているから赤です。」と先生。そうだよ、燃えているんだから赤いに決まってる、と園児達も続けてわめきだす。それでも私には決して赤には見えない・・・・
それ以来、クレヨンの色そのままの赤や絵の具のチューブの「あかいろ」から出したそのままの赤は私のとって「節操のないバカ」の色である。だから、赤い色の車に乗っている人は少なからずバカに見えて、赤いMマークのハンバーガー屋に列を作る人種は私には考えられない「たわけ」の群れ。
あかね色、えんじ色、朱色・・・赤に近い色は自然界の中にも、日本古来の史書や文学作品の中にもたくさんあり、それらはそれらで自然に映るが、燃えているから絵の具チューブから出したままの赤だという考えはいまだに理解できないし、そんな安っぽい燃え方しかできない人間が増えているのは寂しい限りだ。
↑上の「赤」の字の一つだけチューブから出した赤色じゃないものがありますがわかるかな?
3 件のコメント:
この話、日の丸の「アカ」と通ずるような・・・いまだ根は深い日本の「赤」を象徴するようじゃありませんか(^^);
この部分ですね。
“それ以来、クレヨンの色そのままの赤や”
どこから出した赤ですか?
あります。私も似たような記憶…。水彩画を描いている小学2年生の私。先生がやってきて「!」みたいな声を出し、私の手をはたいて筆を取り上げると、お気に入りの淡い緑色の絵の具がしみこんだその筆を容赦なく、水の入ったバケツに突っ込みました。シャッと洗い、カンカンとバケツのふちで筆の水をきっぱり搾り取ると、無言のまま絵の具を取り出し、パレットにむぎゅうと出し、私の絵に手を加えたのでした。
何色に変わったかも覚えていませんし、何をされたのかすらわかりませんでした。あったのはとても悲しい気持ち。その作品は、やがて何かしらの賞をいただくのですが…
中学生になり「あなたの作品はあなたのウ○コだ」といってくれる美術の先生が登場するまで、私は絵がすっかり嫌いになってしまいました。(り)
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