5月22日、まだ雪はあるだろうなと思いながら向かった今回の「吾妻山(西吾妻山2035m)」だったが、山形県米沢市から福島県北塩原村に入ってすぐの白布峠の登山口付近はすでに雪が高く残っていた。今回はこの雪に難儀した。
森の雪原を登って行き、最近付けられたと思われる赤符と、木の高いところに付けてあるから、もっと雪の多いときに付けられただろうと思われる黄色のテープを頼りに、ひたすら雪を踏みしめ、水芭蕉の咲き出した湿原に出た。
雪道もいいかげんうんざりしてきた頃に、急に開けた西大巓にたどり着く。磐梯山とその回りの湖、はるかに雪に覆われた飯豊山がかすかに見えた。
反対側を見ると西東小屋と西吾妻山の頂上がすぐ目の前に見える。ただ、そこまでは全く登山道が見えず、雪庇のある斜面で、たいした装備も持って来なかったのでこれ以上は難しいと判断し下山する。
下りはひたすら、麓の温泉の事ばかりを思いながら雪道を滑り降りるように歩くが、これがとんだ災難になった。途中で赤符の確認を怠り、登りとは全く違った風景の谷に出てしまう。雑木林と笹藪をかき分けて、丘と小川を2つずつ越えてどうにか登山口に戻ってきたのは、予定を2時間弱遅れてのこと。
小さな磁石と携帯のGPS機能に助けられたものの、四方の視界を遮る藪の中で、情けないことに一瞬パニックに陥った。
そんな瞬間、距離にして20m位下の目の前を、一瞬黒い影が通り過ぎていった。
「あれ?今のは何?こんなところにワゴン車が通る道はないし・・・」足もとを見ると雪の上にくっきりと熊の足跡が残っていた。小川から上る風が妙に冷たく感じた。
さて、くたくたになって「滑川温泉」にたどり着く。渓流の川音の中、露天風呂で体を伸ばす。
翌日、カタクリの花でも見て帰ろうと土湯温泉方面に行くと、あちこちに「クマガイソウ」という看板が出てきて、「熊がいそう?おいおい、そんなおっかないのか?」などと思いながら、その実態を見に出掛ける。
クマガイソウは「熊谷草」のことで、なんだか大勢の人が群生地にやってきていた。
近所のおばちゃんが曰く、この花は「ヨメノコブクロ」とも呼んだそうで、何となくそんな感じのぼってりした花だった。
2 件のコメント:
無事 下山できて良かったですね。
遭難する事なく、熊に食べられる事もなく!?
東北方面は、まだまだ雪が残っているんですね、山には?
土産亭さんでも焦る時があるんですね・・・。
水芭蕉はまだ咲き始め?尾瀬方面もこれからですかね?ちょっと行って見たいのですが・・・。水芭蕉を見に。秋も良かったですがね。
「クマガイソウ」も綺麗ですね!
熊は草食ですので、基本的には人間は食べられることはないですよ。人が時々襲われるのは、お互いに出会い頭にびっくりして、防衛本能で襲いかかってくるので、熊が人間が来るからといって待ち伏せすることはないです。もっとも、人間だってわけのわからないヤツがいるのと同じで、熊にも発狂したヤツがいるかも。
尾瀬はもう少し南ですからすでに満開状態かも。
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