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2011年5月29日日曜日

オラ! スペイン紀行 その1 バレンシアで

 旅のきっかけというのは色々あるけど、
極めてめずらしい自分の名前と同じ名前の町に行ってみたいというのも一つの理由になるかな。
でも、本当にそんな町があるのだろうか、とスペイン地図を広げ「Yecla」という文字を見つけ、
「あら、ほんとにあるわ」ととにかく存在することは確認はして出掛けることにした。

 仕事で旅する以外は、世界中どこへ行くにも、「まあ、着いてからどうにかなるだろう」という考えは若い頃からほとんど変わらない。
 色々予約して現地へ着いて、想像するのと全然違う施設や場所だったりするとがっかりしてしまうので、現地の空気を感じながら町を歩き、町の構造を理解しつつその日の宿を探す。それなりの町なら観光案内所で色んな情報を集めるのも一つの楽しみ。

 そもそも、その町ではじめて会話する観光案内所の係員の笑顔が、その町のイメージになってしまうことも多い。

 ドイツでの仕事を片付けて、5月7日ドイツ・ミュンヘンからイベリア航空でバレンシアに飛ぶ。
バレンシアというとバレンシアオレンジ!というイメージしか無く、ソウルに着いたら空港からキムチの匂いがするように、ここでもオレンジの匂いぷんぷん、ミスオレンジが首にオレンジカラーのレイでも掛けてくれるのかと思いきや、残念ながらそれは無かった。
 というより、気持ちはすでにイエクラの町にあり、まずは空港の観光案内所に飛び込んだ。

 「イエクラにはどうやって行けばいいのだ?」とスーパーマンに変身する前のクラーク・ケントみたいなお兄ちゃんに詰め寄ると
 「オラ、ミスター。バスで2時間くらいだが、平日は1日2本しか便がないが、明日は日曜日だから4本ある」とのこと。鉄道がないのは地図で見て知っていたが、バスもそれだけの本数かいな、こりゃ相当田舎だなと感じる。

 とりあえず、この日だけは予約してあったホテルに荷物を置いて、町を散策する。
ヨーロッパの多くの町と同じく、この町もかつては城壁に囲まれた町のようで、旧市街に入るいくつかの門があり、そこから町の中心だろうと思われる教会の塔に向かって歩く。
 そうそう、ちなみに私はスペイン語は全くわからない。
若い頃、マドリードやバルセロナ、コルドバ、グラナダといった町を回ったがあまり記憶にない。
「オラ!」が「ハロー!」の事だというのはまず理解できた言葉だが、決して尻上がりの「オーラー!」という発音ではなく、日本の地方の方の使う一人称「おら・・・」に近いイントネーション。
 
 町の中心部にたどり着いたらしく、人が多くなり、大聖堂の前の広場では一雨あったのかイベント中断中という雰囲気で、もう一つの教会の方では陶器市の屋台が軒を連ね、色んな色の陶器が並べられていた。
 聞くところによるとバレンシア周辺はスペインでも米の一大産地で、その米を使ってあのスペイン料理のパエリアも名物のようだ。当然そんな料理には食器も欠かせないから、陶器も多く作られているようだ。


 それではと、夜はパエリアを食すかと、ホテルのフロントのお兄ちゃんに紹介してもらった古い町の小じゃれたレストラン『CANELA』に行くと、パエリアよりも明日出掛けるイエクラがワインの産地であることを思い出し、とりあえずワインは飲んでおくべきだと注文したのが『NO.12』というワイン。
 コース料理のパエリアが出てくる前に、美味しいオリーブとパンだけで充分できあがってしまった。


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