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2010年2月21日日曜日

帽子の不思議

 最近、外食をするときに気になって仕方のないことがある。
それは、食事中も帽子をかぶっている人間がどこにでも一人はいると言うこと。
果たしてそれがどういう道徳的根拠があるのか明確ではないけど、私は子供の頃から食事のテーブル、卓についたときは、帽子を脱げ!と教えられてきたし、お店のドアを開けて室内に入った時点でコートやマフラーと共に脱ぐのは当然のことだと思ってきたが、そう思わない人種がいるというのには不思議に思う。
 例えば、寒い冬の登山の時や屋台のラーメンをすする時なら、もしかしたら防寒のために必要かもしれないし、頭部に世間に公開できないようなキズや髪の不自由さがあるのならそれも致し方ないと判断したいが、どうみてもどれにも当てはまらない若い連中に多いし、時にはその若者の横に座る親とおぼしき人間も一緒にかぶりながら食事する姿も見る。
 昨日も近所の焼き肉屋で、炭火の炎が目の前にあるのに、毛糸の帽子をずっぽりかぶった若者が、肉をしきりに裏返していたが、暑くないのか?帽子が焼き肉臭くなるぞ!と注意してやりたかったほどだ。何なんだろうな?帽子を脱ぐと髪型が乱れるのかな?それとも1週間髪の毛をアラって無くて、脱いだらふけが落ちてくると言うのかな?不思議で食事の味がわからなくなったくらいだ。
 まあ、そのレベルの店と人種だと言われてみれば、一緒に焼き肉をつついていた彼女らしき女性は、焼き肉の匂い以上に「臭い」香水をこれでもか!というくらい回りに漂わせていた。親の顔が見たいと思うシーンではある。

2010年2月20日土曜日

雪だるままつりと雪山

 この時期は、雪山の話題しか無くて。
2月は石川県白山の麓白山市「旧白峰村」では「雪だるままつり」が毎年開催されるが、2月12日、旧白峰村の中心地で開催のまつりに出かけた。
 まだ、うちの子供が小学生の頃初めて連れて行った記憶があるので、10年以上、そんなに大々的なイベント広報もせず、以前は一週間続けて開催していたけど、余りにもこの小さな村に人が大勢詰めかけたので、今は地区ごとに1日づつの開催にしたのも、妙に背伸びしない町の行事として続けられる原因かもしれない。
 













 かつては蚕の養殖、絹織物で天領だったというこの村で、住人が自宅の前に冬の寒さが少しでもあたたかになるようにと、それぞれ家族総出で一生懸命雪だるまを作った、そんなほのぼのさが何とも言えない。
 翌日は雪山歩き。白山を登る登山道はいくつもあるが、そのうちの加賀禅定道を、スキー客で賑わっている一里野温泉スキー場のゴンドラの頂上駅から奥に進んでいった。一面の雪とブナの凍り付いた木々の樹氷の世界。時折、ダイヤモンドダスト状の雨とも霧とも付かないシャワーに包まれながら、昼は麓で買った手のひらの大きさほどもある「いっぷくちゃん」という名のおはぎとあったかコーヒー。

2010年2月7日日曜日

ひまわり畑と潜水艦

 とある映画館から、会員期限が近づいていて更新の時期だという案内が来て、久しぶりにこの客席200余りのこのこぢんまりしたミニシアターに出かけた。
 先日、異業種交流会の宴会の席で、私よりはるかに年上の方々が、口々に最近見た「大ヒット上映中!」とかいうアメリカ映画の話をしていて、何でもその映画監督、前回の大ヒット作から12年ぶりの作品だとかで、その手のコマーシャル戦略にまんまと騙されて、慌てて駆け込むたぐいの映画を観に行く人の気持ちが理解できない私は、「そんなに良かったんですか?」「それで、その主人公の顔には笑窪がありましたか?」と聞いてしまった。私としては冗談として言ってみたのだが、「何のこと?そこまでしっかり見なかったな・・・」と妙に真剣に記憶を辿っているようなお答え。ちょっとやり過ぎたかなと思ったので、「あばたも笑窪って云うじゃないですか」

 まあ、そんな感じで大手系列の映画は、特にアメリカ映画は、広告にコストを掛けるほど、期待はずれの作品にしか出会ったことがないので、ここ数年は観る気は全くしない。もっとも、反対に今回私が観てきた映画は、テレビゲーム世代やそれを子供と一緒に興じているような人種には全く面白くも何もない駄作でしかないだろう。

 さて、映画のタイトルは『ピリペンコさんの手づくり潜水艦』2006年のドイツの作品だが、舞台はウクライナのひまわり畑のまっただ中の小さな村で、言語はロシア語・ウクライナ語。ストーリーは至極簡単で、その田舎町に住む62才の年金受給のおじさんが、30年前からの夢である潜水艦を手づくりで完成させ(完成したと信じていたといった方がいいかな?)ひまわり畑から400km離れた黒海に潜るという話。田舎町であり、ついこの間までソ連だったところだから、部品もろくに集められず、当の本人も専門に学んだこともない軍人上がりの農家のオヤジだから、本当の手づくり。家族や村人にも半ば変人扱いされながらも夢を持ち続けてどうにか完成、その熱心さに村人も応援しだし、颯爽と出かけていくが、結局、この『イルカ号』進水はしたものの、ちょこっと動かしただけで色んな所が故障して、来年はもっとしっかり装備して出直すぞ!で終わる。
どこにもスリルも無ければ色気もないのだが、田舎のほのぼの間が、いつの間にか土の匂いが漂ってくるくらいホッとするものに変わるのを感じていた。


 それと、気に入ったのが,鑑賞者全員にチケットと共におまけとして配られた、何とも懐かしい紙で作るおもちゃ。子供の頃、毎月届けられる本のオマケにこのてのものがよくあったことを思いだし、工作用のハサミを駆使し、液体糊で指をべとべとにしながら作ってみた。



完成してみると、実にいい感じである!自分に笑窪があることに気付く、そんな一瞬だった。

ちなみに、この映画のキャッチコピーは「ちゃんと、いいかげんに生きる。」
なんと、『山形国際ドキュメンタリー映画祭 市民賞』を受賞しているそうな。

2010年2月4日木曜日

海の日の出


日本海側に住む人間にとって、海で日の出を見るというのは極めてまれなことで、以前見たのは15年くらい前の仙台の海だったと思う。
 そして、先日その太平洋側のきれいな日の出を愛知県幡豆郡吉良町で拝んできた。

 吉良というと吉良上野介の出身地であるが、年末のクリスマス商戦で世の中がサンタとトナカイに埋め尽くされるときに、場末の演歌みたいに「殿中でござる、殿中でござる!」としつこく繰り返される忠臣蔵の番組に、子供の頃から辟易していたので、喧嘩両成敗なのだからどうでもいいじゃないか・・・・程度にしか思ってなかった。

ただ、今回は地元の博識なる友人が事細かに史実の解説をしてくれて、その歴史的なステージも紹介してくれたので、演歌が歌謡曲ぐらいの近さには感じてきた。

 事の始まりはどちらも製塩で収益を得ていた吉良と赤穂の塩の献上合戦、もしくは商権争いにあったようだ。


それよりも目を見張ったのが、ウナギ養殖のメッカ隣町「一色町」の日本一の大提灯。直径5.6メートル、長さ10メートル、重さ1トンとのことだが、展示してあった一色地域文化広場「学びの館」の3階建ての建物にすっぽり入る大きさ。

その大きさもさることながら、提灯に張り巡らされた美濃和紙に描かれた色彩豊かな絵に静かな感動を憶えた。この提灯が年に一度の祭りの時に六つの町の組それぞれに吊されるとのこと。ちなみに中のろうそくは高さ1.2メートル、重さ80キロだそうだ。

2010年1月19日火曜日

初めての上高地


 いくつもの名峰の登山口を擁し、穂高連山を見渡せる景勝地だと言うことは知っていたものの、バスを待つ人々のTDL並みの列にいつもうんざりして、その上、何だかそこに行くことがステイタスとでも思っている人種もいたりして、さんざん敬遠してきた上高地という場所に、冬の極寒の時期なら人もまばらだろうと、山岳会の仲間達と出かけた。

 天気が全てを解決してくれるという、山登りの幸運を見たような快晴で、氷点下10度近い透き通る空気の中、西穂高も奥穂高もきれいだった!!焼岳もしっかり煙を出して立っている。

いつもこうならいいんですがね。同行の何人かは数年ぶりに訪れたとのことで、いつの間にかきれいな建物になっているホテル群に驚いていた。これじゃ、単なるリゾート地だな、人の少ない冬に来てよかった。

 それにしても、あのシーズン中のバス乗り場の列を見ながら、思うことがある。自然保護の観点から自家用車の乗り入れが禁止で、量的移動手段としてバスを利用するのは、理解の域だが、自家用車とかわりないタクシーも乗り入れが許可されているというのが、全く理解できない。それも量的移動手段だというなら、人数を集めてハイブリッド車の自家用車に乗っていけば、そっちの方がよっぽど自然環境に配慮しているのではないだろうか?それほどの高低差もない道のりだから、タクシーは全て電気自動車にでもしたらいいのではないのか?

言っておきますが、「生活がかかっている人がいますから・・・・」というのは環境問題に対する言い訳でしかない。

ウエンストンも生きていたらそう言うでしょう。

2010年1月11日月曜日

雪山歩き

 年中、山に登っているように思われる最近だが、自らの力量を顧みて冬山には登らないことにしている。それでも、野原の雪に囲まれた森を見ると、ついそこに吸い込まれてみたくなる。
そんな時は雪原を歩くのだが、私は西洋かんじきのスノーシューで木々の間を歩き回るか、小高い丘を目指してクロスカントリースキー(バックカントリースキー)でアップダウンを楽しむ。

 年末12月30日に岐阜の豪雪地帯白川郷、年が明けて昨日1月10日は乗鞍高原に出かけた。
去年は白川郷でニホンカモシカに偶然出会った。今年は野生の動物には会えなかったが、彼らの残した足跡が雪上にくっきりと続き、この先には一体何があり、彼らは何を求めて歩いていたのか、と、しばしその後を追いかけて、夏場は登山道から外れて入り込めれないところもずんずん歩いて行く。

正確には誰が残した足跡かわかってないのだが、前足の穴が平行に2個と後ろにぽつんと一つ丸い跡があるのがウサギかな?蹄のような形の跡があるからニホンカモシカかな?猪突猛進の様(さま)そのものラッセルのような足運びの跡はイノシシか、などと考えながら、前に進むのがこのシーズンの大きな楽しみ。



 そんな感じで動き回っていて、ふっ、と周りを見渡すと、回りの山々をはじめ一面に広がる白い風景、そして、その白い世界にぽつんといる私をじんわりと「沈黙」が包んでくれる・・・・これがもう一つのこの季節の山で遭遇する気持ちよさであり楽しみ。


 
 もちろん、寒さの中動き回っていたのだから、温泉に浸って暖まって帰ることになるが、これがまた雪見の露天風呂だったりして、心地よい!

平成の20才・・・

 今日、ニュースで成人式の様子を映し出していたが、すでに昭和生まれの子供達が、成人式にはいないという。年号の話をされると、なんだか確実に世代は変わることを突きつけられたような感じだ。
 初詣、年賀状、新年挨拶回り・・・と毎年の行事をこなして、すでに2010年寅年は動き出している。

今年は残念ながら日程が合わず参詣できないのが関西の「えべっさん」、私は大阪に仕事で出かけるときは、その戎(えびす)神社のある尼崎に滞在するが、駅前の商店街の入り口に飾ってある「十日戎」の提灯に、今年は福が舞い込みますようにと手を合わせた。笹持って来い!のえべっさんは関東の「お酉さん」同様商売繁盛のために、寒い季節でも元気になろう!と人々が気勢を上げる。

 毎年、私は漢字一文字で今年の目標を掲げ、書き初めをしているが、今年の言葉は

「確」

不確かなものの中から、どうやって確かなものを探し出すか・・・その一年になるはず、と願って。